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またもやスルーの自動保存

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さて、世間はAdobe Creative Cloud 2014リリースに湧いているところですが、10.6.8メイン&CC契約あと7日の告知を受けた身としてはCC2014は遠い存在です。

というわけで、CC2014は置いておいて、つい先日Astute GraphicsからリリースされたIllustrator自動保存プラグイン、「Autosaviour」をご紹介しましょう。


さて、Illustratorはよく落ちる。これに異論を唱えるDTPerはいませんね。とくに入り組んだ作業は没頭することも多く、気付いたら1時間の全力集中作業が水の泡なんてことも珍しくはありません(泣)。

なのに、なぜ未だにないの? InDesignには相当前から実装、Photoshopも前回あたりについた?(CCは使っていないのでうろ覚え)

あのリスクと背中合わせのスリルを味あわせたい?
確かにQXのアンドゥ1回も緊張感ありましたが…、そんなMばかりじゃないんですよ。

そして「救世主」が現れました。今回も搭載されなかったIllustratorの自動保存がついに実現できるのです。(がしかし、手放しでは喜べません。理由は後ほど)

まず使い方ですが、「http://www.astutegraphics.com/software/autosaviour/」からプラグインをダウンロード、インストールします。プラグインは無料ですが、起動時にAstute Graphicsの告知スタートアップ画面がでます。

Autosaviourのページ中程にある、Apply for your FREE license keyにメールアドレスを送ればライセンスキーが入手でき、登録すると起動時の煩わしい画面が出なくなります。

さて、機能ですが、指定の時間ごとに自動で「上書き」保存、または「お知らせ」をします。設定はIllustratorのアプリ毎(基本設定)と各ドキュメント毎にできます。


↑ここから呼び出し


↑設定画面。英語は自分で訳してください^^


例えば基本は10分おきに保存、ドキュメントによっては3分にするとか自動保存しないとかの設定が出来ます。

↑「お知らせ」も集中作業中は煩わしいですよね


ただ、この「上書き」はクセモノで、パーツを抜き出すつもりで開いておき、ロックを外したりカットして放置して置いた(私はよくやります)ものを、勝手に上書きしてしまうということも起こりえます。

また、自動バックアップ機能がありますが、ちょっとクセがあります。
まずドキュメントを開くと、自動で開いた書類に指定の接頭辞をつけて複製します。

プラグインが自動保存または手動で保存するとその1つ前に保存したバージョンに置き換わります。つまり、最後の保存とその前の保存したバージョンしかなくなります。ここ、差分全部か、せめて10バージョンくらいストックするべきじゃない?

機能としては時間が来たら勝手に保存するだけなので、ちゃんと元データを複製してから開くなど、対策をして使っていれば問題ないのかもしれません。

あくまでも「保険」のつもりで使うのが良いみたいです。

個人的にはInDesignのように、裏でバックアップとりつつも、保存するまでは「今までの全部なーし!」にできる形式が一番いいのですが、できませんかね。

HPも設定も全部英語で、エイゴワカリマセーンの私は理解できていない部分もあるかもしれません。間違えていたらご指摘いただけると助かります。


また、リアルでご近所さんのMD5500さんが、Illustrator自動保存のApplescriptを配布されています。
[ApplScript][Illustrator] 指定間隔で自動保存 修正版

こちらは指定時間でバックアップファイルを複製する仕組みでしょうか。

…スクリプトわからないので、スクリプトエディタ開いたりいろいろやってみましたが、起動できませんでした(泣)。MDさん、こんどのバザーの時に教えて下さい(いやもっとはやく)。




Illustratorで自動保存のスクリプト「cycle save」

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前回、Illustratorで自動保存ができるプラグイン「Autosaviour」をご紹介しまして、MD5500さん作のスクリプト(cycle save)もありますが、「スクリプト分からないよー、起動できないよー」で終わっておりました。


その後MDさんと連絡をとり進展がありましたので、こちらにてご報告させていただきます。

まず上記リンク先を読むと、スクリプトの数値等書き換えて保存する際に、
「上記を設定の上、別名保存でファイルフォーマットからアプリケーションを選び、実行後、自動的に終了しないにチェックをいれて保存してください。」
と書いててあります。

こんな初歩的な注意書きも、スクリプト分からない人には分からんのです。そもそも書き換えて保存って?という状態ですよね。え?それくらいわかります?

そこで、私のスクリプトの知りうる限りの知識を総動員して、このスクリプトを攻略してみようではありませんか!

その前に、こちらApplescriptなので、Macでない方はここで終了です。自分で他のスクリプトを書きましょう(Winに冷たい^^)。

そして、Macの方はここからです。MDさんのページからデータをダウンロードしましょう。アプリ形式のものも同梱されているので、こちらを起動すればすぐに使えます。

時間などを設定したい場合は「cycle_save.applescript」をダブルクリックしましょう。すると、スクリプトエディタが開くので、コメントのある部分を書き換えます。

↑時間の指定は数値を書き換える(画面は旧版です)


そして「書き出す」でオプションを設定します。HPの注意書きはこれのことでした。
ファイルフォーマットを「アプリケーション」、オプションで「ハンドラの実行後に終了しない」にチェックして保存します。すると、ダブルクリックすれば実行するスクリプトになります(エディタのバージョンによって多少違います)。

ただし、実行専用で作成したものは単体のアプリケーションとなるので再編集はできません。元のソースコードファイルはとっておきましょう。

↑MacOS10.8のエディタだとこのようになります


これでcycle_save.appを起動して、Illustratorが起動状態であれば最前面のファイルを指定間隔で自動保存ができちゃうんです。

↑スクリプト起動中は自動でバックアップします


ドヤァてな感じで書きましたが、スクリプトを扱う方にしてみたら息を吸ってはいたようなものです。えらそうにすみませんでした。



次に機能の説明をいたします。
スクリプトを起動すると、
・Illustratorの最前面にあるファイル
・前回保存後に変更がある場合
・指定した時間が経過
でドキュメントを一旦「上書き保存」します。そのデータに日時を追加して、同一階層の「_version」フォルダにcycle saveが複製保存してゆきます。

注意すべきはデフォルトでは保存オプションの「PDF互換チェック」はオフにします。これは保存時間やファイル容量が減り、作業の妨げを減らせるので理にかなっています。

反面「上書き」なので、元データもPDF互換がオフになってしまいます。私のようなうっかり者はデータの内容によってケースバイケースで切り替えた方が良いかもしれません。というわけで注意書きにもありますが、PDF互換がオンの方が良い場合は以下の値を書き換えます。

on doc_save(doc_path)
    tell application "Adobe Illustrator"
        save current document in file doc_path as Illustrator with options {class:Illustrator save options, PDF compatible:true} ←ココね
        --PDF互換にするにはPDF compatible:falseをtrueにする
    end tell
end doc_save



さて、前回ご紹介のAutosaviourプラグインは直前の2つしかバックアップしないようですが、こちらは日時を追加しつつずっと残せます。挙動はこちらの方が理想に近いですね。

比較を表にしましたが、一長一短あります。使い勝手は人それぞれなので一概にどちらが良いとは言えません。

前回も言いましたが、理想は元データが無傷でバックアップを自動だと思っております。InDesign形式はムリにしても、せめて上書きでなく複製保存で元データは無傷でできないものか…。MDさんに聞いてみましたが、どうやらIllustratorはスクリプトで複製保存の制御は難しいようです(もし解決策をご存じの方がいらっしゃいましたらご一報いただけたら幸いです)。

さて、記事の下書きまで終わったところでMDさんから「でけました」のご連絡が。そう、私はうっかりものなので、スクリプトが立ち上がっていることを忘れて放置した書類が上書きされたら困るなー、Illustratorと共にスクリプトを終了できないかなー、などと考えておりました。

Twitterにその旨発言したところ、ユミソラさんからもヒントをいただき(ユミソラさんありがとうございます!)、MDさんがIllustrator起動時のみ動くバージョンを作ってくれました! リンク先のダウンロードにある「cycle_save_onquit.zip」です。時間とオプションを分けたバージョンをいくつか作り、作成する書類によって切り替えればかなり理想に近づきますね。

私は通常10分、細かいトレースなどは3分で、PDF互換オンとオフの4パターンを作り、書類内容によって切り替えようかと思っております。

cycle_saveは「ギニャー! イラレが落ちたー」の悲鳴と「自動保存はできないのか?」の声に応えて作成、無償配布されていたようで、Illustratorユーザーにとっては有難い限りです。MDさん本当にありがとうございました。

最後に。
HPの注意書きにも書かれていますが、元データは別にバックアップしておきましょう。
※注意(引用)
前回同様、保存という処理の性質上、元に戻せません。ご使用の際には充分な検証をなさった上でご利用下さい。
よくいわれる"At your own risk"でお願いします。
Script処理がはじまった時に、アクティブ(最前面)なファイルに対して保存を行いますので、他のファイルからパーツだけ欲しいという場合等は複製を開いた方がよいでしょう。


※スクリプトの使用は自己責任でお願いいたします。もしトラブルが起きても、作者と私は責任を負いかねますので予めご了承下さい。

PR: Jeep Altitude Lineup Fair

pen+デザインラボ/イラレ時短テク

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Adobeの公式コラボサイト「pen+デザインラボ」で公開している「イラレ時短テク」、全5回無事終了いたしました(もともとは全4回でしたが、特別編を挟んで5回になりました)。

↑見たことあるひとー? はい、ありがとうございます。


あちらは本名、こちらはニックネームなので、混乱するかもしれませんが同一人物ですよー^^。見たことない人はぜひ一度覗いてみて下さい。

このお話を頂いたとき、ウルトラマンのスペシウム光線のチュートリアルとか見た後で、まさか私にオファーが来るとは信じられませんでした。受けた後のプレッシャーはハンパなかったです。

時短テクということで、1つのテーマに沿っていますが、個々の技は別のところで応用でき、また作って終わりでなく修正や試行錯誤をできる造りを目指しました。作った後も時短ってことで。

Illustratorでサンマ、あんまり描きませんよね。でもひれ部分の線グラデーション+可変線幅+ブレンドなどはなかなか面白い効果だったと思います。

↑何に応用できるかは知らんけど^^


グラデーションもライブラリから改変して作るなど、知らない人からすると目からウロコですよね。これはパターンやグラフィックスタイルなどでも応用できます。

第3回の特別編は、どさくさにまぎれて3Dの新ネタ、レイヤー効果による自動3Dと、光彩効果によるリアル表現を突っ込んでおきました。

流行りのレリゴー人気にあやかろうと氷の世界にしましたがどうでしょうか? 個人的にはIllustratorオンリー(Photoshop効果もなし)で手間も少なくリッチな表現ができ、涼しげになったので満足してます(本当の自己満足^^)。



公式コラボなのでこのブログで使うような、「何でもありなテク」は使えず、実は毎回次のネタが決まっていないギリギリのところで出稿していました。編集さんには多大なご迷惑をおかけしまして…。

さらにCC発表に合わせたキャンペーンの意味合いもあり、(普段使わぬ)CCを絡めるというオーダーがあり困った困った^^。ただAdobeさんからのオーダーはそれだけで、内容は100%自由にやらせていただきました。うーん、寛大。

で、ネタを考えるためCCを研究してみると、パスまわりがすごく使いやすくなっている。私はプラグインでライブコーナーやアンカーポイントツールと同等の機能を前から使っていましたが、CCはネイティブという安心感はありました。

第5回のわんこのイラストの直線で描いて曲線を引き出していくという方法は、従来とは一線を画す新たなワークフローです。



ベジェ曲線の扱いに慣れている方はあまり恩恵を受けませんが、ペンツールとハンドル操作が苦手な人にうってつけな機能です。ベジェに慣れていない方は一度試してみて下さい。コーナーが連動しないのでいびつになりがちなところも、CC2014で回避策が実装されているのもポイントです。

ライブコーナーや文字タッチなどに比べるととってもとっても地味ですが、確実に進化した部分です。どちらかというと、時間よりも作業内容と仕上がりに差が出るところです。


最後に、pen+の編集部さんに大変お世話になりました恩返しとしまして、勝手ながらムックの宣伝をさせていただきます。


「1冊まるごとアドビのすべて」が7月29日(火)に発売決定。サイト内で募集していた投稿の発表や、イラレ時短テクも収録予定。とっても楽しみにしております^^



便利な便利な検索置換1

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お久しぶりの更新です。
突然ですが、AI使いのためのID講座を再開します。自分がInDesignすっかり忘れてしまっているのでリハビリがてらと、CS5以降の機能もおさらいしておかないと…。ということで始めまーす。

さて、便利な便利な検索置換ということですが、Illustratorにも検索置換はあります。
しかし、選択範囲を絞れず、検索できない文字あり、属性の変更も出来ず。正直言って、実務で使うのは厳しいです。

↑シンプル is ベスト?



内容的には一般的なテキストエディタにも劣る機能で、無いよりはマシというレベルのものでしょう。Adobeさん的にはIllustratorは文字を組むソフトでは無いというメッセージなのかもしれません。

↑これ、Jedit。正規表現も使えます。




ではInDesignではどうでしょう。
範囲の指定、属性の指定、正規表現、字形変換、オブジェクト、文字種変換などが使用できます。

↑ちょっと大きいですが、見やすくまとまっています。



はい、「圧倒的」です。わかりやすく例えるならIllustratorの検索置換が地球連邦軍のボール、InDesignはジオン軍のビグ・ザムです。

↑圧倒的すぎ。



InDesignは文字を主体に扱うソフトなので、文字に強いのは当たり前です。でも所詮は標準の検索置換でしょ、と思うかもしれませんが、あなどってはいけません。InDesignの検索置換は文字の置き換えどころの騒ぎではありません。もしもこれが有料プラグインだったとしても買ってしまうことでしょう。

何が凄いのか、では解説いたしましょう。

まず、文字種の検索と属性変換。
Illustratorではズバリ「テキスト」を「テキスト」への変換しかできません。
例えば全角数字を半角数字にするとしましょう。
Illustratorでは数字を検索するにしても0から9までの10種類を検索する場合、10回検索する必要があります。

しかし、InDesignは文字種の検索ができるので、検索文字列右の@からプルダウンで「ワイルドカード>数字」を選ぶだけで検索できます。そして属性の変更が可能なので、数字のみ等幅二分字形にすれば簡単に数字のみ半角字形にできます(半角数字に置換したわけではありませんが許してください^^)。

↑一撃…。


また、文字でなく属性を別の属性に変えたり、属性を絞って文字を検索したりと組み合わせ次第で様々な検索置換が可能になります。

↑黒い文字をマゼンタにできる。


↑小塚明朝Rのビグザムという文字列のみ削除。


えっ!? なにそれすげー!と思った方、まだまだ続きます。なんせビグ・ザムですから。まだ爪の先っちょですよ。

さて、突然ですが卵の黄身と白身を分けるのにどうしますか?
二つに割った殻を使って交互に入れ替え白身を落としていきますか?

不器用な人は殻の端に引っ掛けて黄身をが割ってしまったり、スルリと黄身が落ちたりしますね。でもそんなとき卵の黄身分け器があればその上で卵を割るだけ。
その「卵の黄身分け器」が正規表現です。はい、そこビグ・ザムどこ行ったとかは言わない。

例えば通常の検索置換ではCO2を一度下付きにして、下付き属性のCOを正体に戻します。しかし、肯定後読み「(?<=CO)2」を使えばCOに続く2だけを検索して下付きに置換できます。

↑COに続く2のみ属性変更できる。


他にも段落先頭の中黒を●に変えるとか、( )内の文字のみ級下げとかも簡単にできます。

更に、段落スタイルへの置換は、段落内の文字やパターンがが一つでもマッチすれば置換できます。どういうことかというと、1-1、1-2などで始まる項見出しを「^\d+\-\d+」でマッチさせて見出しスタイルへ置換するだけで文中の項見出しのスタイル適用が完了します。数字のケタが増えても、たとえ100箇所あっても1回の操作ですんでしまいます。

↑段落スタイルに置換すれば、一部分マッチするだけで段落全体に適用できる。


この辺でやっとビグ・ザムの腰(?)あたりでしょうか。

つづく、のか。








便利な便利な検索置換2

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文字種変換

全角英数字を半角英数字とか、半角カタカナを全角カタカナとかに変換できます。テキストエディタではあたりまえの機能ですがIllustratorにはありませんね。せめてこれくらいは欲しいところです。

この機能Win原稿では多い、半角カタカナを全角カタカナにするときは重宝しますね。

私はCS1の頃にパーレン類も英数に含まれていた関係で英数変換の使用を回避しておりました。というわけであまり詳しくないのですが、CS5.5で試してみると「:」や「?」などの約物は英数に含まれるようですね。うん、やはり微妙。


字形変換

字形変換書籍のルールで特定の字形を指定する場合などに重宝します。
私はこちらもあまり使わないので、詳しく解説されている勉強部屋さんをリンク。
http://study-room.info/id/studyroom/cs3/study16.html



オブジェクト

オブジェクトの属性と効果を検索置換できます。説明だけ聞くと「は?」となりますが、例えば選択しているフレームをの線をC50、0.5mmにしたり、赤スウォッチで塗られているフレームだけを青に置換したりと、オブジェクトの属性での検索置換ができます。

ピンとこないかもしれないけど面白いアイデアですね。拡大縮小でバラバラになった線幅を統一できます。オブジェクトスタイルの検索置換も可能です。こちらも勉強部屋さんをリンク。
http://study-room.info/id/studyroom/cs3/study17.html



コピーオブジェクト

InDesignの検索置換ではクリップボードの内容に置換できます。つまりクリップボードにオブジェクトをコピーしておけば、文字列をオブジェクトに置換するこができます。

これは神速InDesignの共著者である今関さんがブログに詳しく記しているのでリンクしました。うーん、わかりやすい。これは見習わないといけませんね。
http://blue-screeeeeeen.net/indesign/20140724.html

ちなみにインライングラフィックとアンカーつきオブジェクトは、今は同じ括りになっているのですね。しらんかった…。この場合はアンカー付きオブジェクトの「インライン扱い」ということですね。


ついでにもういっちょ。
アンカー付きのオブジェクトの「カスタム」(以前のアンカー付きオブジェクト)の場合、挿入点に特殊文字があります。これをコピーすることで、インライン同様にオブジェクトをペーストできます。フレームからははみ出す飾りなどはこれで一括置換できますね。


↑オブジェクトではなく挿入点をコピーする


↑指定文字列を(アンカー)オブジェクトへ置換し、ついでにスタイルをかけちゃう


↑A:をマークに変更できた


プリセット

@の中にはIllustratorとは比べものにならないくらいプリセットが用意されています。



範囲の指定

Illustratorではできない検索範囲の指定も、InDesignでは検索の範囲を絞れます。 また、ロックオブジェクトやマスターオブジェクトなども個別に設定可能。

・すべてのドキュメント
開いているドキュメント全てが対象になります。複数ドキュメントを一括して統一したいときなどは効果的です。

・ドキュメント
最前面のドキュメントが対象になります。一括して統一したいときなどは効果的です。

・ストーリー
選択中のフレームとリンクされているストーリーが対象になります。挿入点でもフレーム選択でも行けます。選択ツールで複数のフレームを同時選択することも可能です。挿入点がある場合は「ストーリーの最後へ」が現れ、挿入点以後が対象になります。

・選択範囲
反転選択している部分のみです。

設定の保存(クエリ)

そしてそして、これらの検索置換の設定は「クエリ」として保存できます。一度作ってしまえばあとは選ぶだけ。とっても効率的です。


連続検索置換

InDesignはここまでを標準の機能でできるのです。どうです、すごいでしょ。でもこれだけではありません。

市川せうぞーさんが標準ではできない、連続で検索置換するスクリプトの「regex_continuous_substitution.jsx」と「run_Queries」を配布されております。

これらは主砲クラスの破壊力です。事前に設定は必要ですが、主砲を打つにはエネルギーの充填は必要ですからね。威力は戦艦を一撃で沈めるほどです。護衛のついたティアンム提督の乗艦だろうと一撃です。

regex_continuous_substitution.jsxは検索、置換、検索スタイル、置換スタイルを設定し、連続して置換するものです。構造は単純ですが、例えば20ページ分のプレーンテキストでも、スタイルの適用、語句の統一を数十秒で行えます。

そしてrun_Queriesはクエリを連続で適用してゆくもの。テキストや正規表現以外にも、字形やオブジェクト、文字種変換も使えるので、この2つを上手く使えばテキスト整形からスタイルの適用、オブジェクトの整形までを瞬時に完了できます。

※スクリプトはバージョンによっては動作しないものがあります。

ね、ビグ・ザムクラスでしょ。
一方ボール(Illustrator)は改行すら検索ヒットできず…(CS5)。


まあ、ボールは本来作業用ボッドですので、敵を蹴散らすものではない、ということです。

というわけで、Illustratorではできない便利な便利な検索置換をご紹介しました。



段落設定の比較1

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さて、Illustratorの段落設定も昔に比べればだいぶ増えました。段落パネルを見比べてみてください。どうです? InDesignと遜色ないでしょう。




ドロップキャプスなんて使わないからいらないし、あれれ~、InDesignはハイフネーション無いの~?

Illustratorくん、文字組ソフトじゃないのにスゴイわ~、とトンコさんに褒めちぎられる姿が目に浮かびますが、ここでオプションメニューを見てみよう。


がっ! ななな、なんだ。この隠し要素は!! ハイフネーションはこっちにあるじゃないか。
ででで、でも繰り返し文字の処理とぶら下がり(欧文)が無いじゃないか。ははは。。。

しかし、なんかわけわからない機能がたくさん。
ん? わけわからん機能だらけ? コマンドを水増ししてIllustratorに差を付け優越感に浸ろうという魂胆か?

そういえばPS3版グランツーリスモのスタンダードカーも、PS2版からのアップコンバートで800車種水増ししていたな。1000車種収録!と言い切るにはちょっとずるいぞ。まあ、無いよりは全然マシなんだけど、それと同じじゃないのか?

よし、化けの皮を剥いでやるぜ。まず、同じ機能は除外するとしよう。青は機能ではないので除外、ピンクがダブり機能…。こんなにあるのかっ。



●縦組み中の欧文回転と自動縦中横設定
より詳しくご理解いただくため、InDesignの勉強部屋さんのリンクを張りました。
http://study-room.info/id/studyroom/id1/study19.html

いやコレ、Illustratorも縦組み中の欧文回転は文字パネルメニューにあるしな。でも段落で設定すれば流し込むだけで回転するのか…。いや、しかし! それだと個別に回転ができないじゃないか。一長一短だな。というわけでこれは勝手にドロー。

自動縦中横設定は、縦組み時に指定した桁数をケタを自動で縦中横にできる。ぬぬぬ、これ、縦組みに超絶便利じゃないか…。しかも設定だから、桁数が変わればリアルタイムで変更される。正規表現スタイルを合わせたら無敵! ま、負けた。すでに負けた。


●連数字処理
http://study-room.info/id/studyroom/id1/study75.html

全角数字と漢数字を途中で区切らない処理。普段使わないから恩恵が想像できん。うーん、微妙。

……これ、InDesign1.0Jって13年も前から実装しているのか。実装されたときに生まれた子はもう中学生だぞ。


●全角スペースを行末吸収と欧文泣き別れ
http://study-room.info/id/studyroom/cs4/study05.html

約物のあとにスペース入れたりして、行末で送られて行頭が空くのを防げるのかっ。ああっ、こ、これはいいっ!! 行末スペース削除して文字送りが変わって文脈追って戻したり、半角スペースを変形させたりといった涙ぐましい努力は全く必要ナシ。やるじゃないかInDesign。よし、オレだけはみとめてやろう。

(2014.8.20追記)
works014さんよりコメントいただきましたので追記いたします。

字詰め10文字のフレームに対し10文字目が全角スペースのとき、揃えがジャスティファイか右揃えだと全角スペースを吸収してしまいます。行頭に送られる分というわけではないのですね。この辺もコントロールできれば文句なしだったのですが…。ちょっと残念です。

↑上2行のスペースが吸収され、ジャスティファイによって伸びている


↑右揃えではスペースはなかったことに。スペースが行末に来たら無視されるということらしい

works014さん、ご指摘ありがとうございます。(追記終わり)

欧文泣き別れの方は、いやいや、ハイフン処理が普通だろ? と思ったが、勉強部屋さんによるとURLに使うと便利との情報が。逆にハイフン入ると困るし、強制改行で切ったりすることもあるから、あると便利かもなー。うん、使いどころによっては便利機能だ。よし、今度使ってみよう。

……これらもCS4で6年前から実装。小学生…。


●グリッド揃え
http://study-room.info/id/studyroom/id2/study64.html
行取りの制御には欠かせない、かゆいところに手が届く機能。とってもややこしいので今回はスルー。


●1行目のみグリッドに揃える
http://study-room.info/id/studyroom/id1/study33.html

引用文のような、行送りの違うテキストを挿入するとき、グリッド揃えを外すと面倒だけど、これがあれば揃えは特に気にしなくて済む。Illustratorだったら、段落前アキで調整するところだが、親切すぎるぞ、InDesign!


●行末を揃える
http://study-room.info/id/studyroom/cs1/study16.html

英文の行の長さをそろえる機能。使わないからわからんが、キッチリ揃うわけでもないので微妙。


●オプティカルマージンを無視
http://study-room.info/id/studyroom/id1/study26.html
ストーリーで指定したオプティカルマージンを無視できる。これも普段使わないから何とも…。この辺は英語版の機能なんだろうな…。


●段落行取り
http://study-room.info/id/studyroom/cs2/study03.html

見出しに使う、2行の3行取りとか、3行の4行取りとか、行間の計算がトラウマになりかねない複数行取りが、行取りを設定してチェック一つでできるだと。ノォー!! あーあー聞こえない。ぷしゅー。

まとめきれないのでつづく…。







段落設定の比較2

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お断りを入れてませんでしたが、IllustratorがCS5.1、InDesignがCS5.5を基準にしています。その後追加・変更された新機能は加味しておりませんのでご了承ください。


●Adobe欧文コンポーザー
http://study-room.info/id/studyroom/cs1/study17.html
http://study-room.info/id/studyroom/cs2/study49.html
日本語コンポーザーとはスペースの調整方法が異なり、欧文がより美しく組める機能。うん、美しいっ!!(実はよくわかってない) 詳しくはWebでっ!!



●段落分離禁止オプション
段落同士を連動させたり、段落の分離を制御する機能。これで見出しだけ下段にポツンと残らない。

↑次の行数を保持すれば、最下段になったときに次の行へ自動で送られる



↑段落の分離を禁止すれば、その段落は段をまたがなくなる


Illustratorでは見出しが最下段にきたら改行や回り込みで送るなどいちいち面倒見ていたが、このオプションを指定すればテキストが勝手に送れるのかっ。連動だけでなく段落を分離しないように設定することもできる。

ページものでは手間が大きく変わる便利な機能じゃないかっ(プルプル)。


●段抜きと段分割

http://study-room.info/id/studyroom/cs5/study14.html
http://study-room.info/id/studyroom/cs5/study15.html

↑段抜き。これを設定ひとつでできるなんて…


段抜きは2段組みの本文ぶち抜きの見出しを入れ、さらにその前のテキストは自動で折り返し。すげえ、すげえ機能じゃないか(ガクガク)。CS5からの機能だがもっと前から欲しかった…。


段分割は部分的に分割できる機能。表組みやインラインを使うことなく1段組みに2段組みを挿入できる。

↑こちらも手動でやると面倒



●ドロップキャップと先頭文字スタイル
http://study-room.info/id/studyroom/cs1/study30.html
http://study-room.info/id/studyroom/cs3/study35.html
前回あまり使わないとか強がってみたものの、たまーに来ると面倒なのがこのドロップキャプス。


行数と文字数も設定できる。カギ括弧始まりとかで2文字取りたいときとかあるけど、それも設定できるのか。しかも「左端揃え」で仮想ボディや半角アキ分も吸収できる。わかっている…。わかっているぞ、InDesign!

↑そうそうこの行頭アキの制御が面倒なの。なにい、チェックひとつで解決だと?


先頭文字スタイルもいいぞ! インタビューとか、目次とか決まった体裁で書式が変わるものは設定しておけばテキストを流すだけ!

↑設定一つで該当する箇所は勝手にスタイルがあたる



↑こちらは3つ設定するだけで、勝手に3種のスタイルがあたる

Illustratorからは考えられない機能だ。


●先頭行スタイル
http://study-room.info/id/studyroom/cs4/study15.html
使いどころが思いつかん。角版の上に白文字を引っ掛けたりとか? …微妙。

これは(z-)さんの緻密な検証が火を噴くぜっ!(意味不明)


●正規表現スタイル

正規表現でマッチした部分に文字スタイルを自動でかけるだとっ。( )内文字だけ級下げとか、桁数に応じて字形変更するとかできるのか。これはヤバイ。革命的すぎるっ(ピクピク)。

↑一昔前なら2つの段落スタイルだけど、正規表現スタイルを使うと1つの段落スタイルで、流し込むだけで書式が変わる。ここまで効率化していいのか


先頭文字スタイルでは「:」で区切ってたが、こっちは名前で勝手に変更される。オイオイここまでやるのか。もう勝負ありだろ、Illustratorかわいそうだろ、暗黙ルールを破るなよ(注:戦ってません)。


●段落境界線
http://study-room.info/id/studyroom/cs1/study36.html
段落の前後に線を入れる機能だが、見出しの飾りに応用可




↑簡単な見出し飾りの常套手段

前か後ろどっちかでいいからIllustratorにもくれぇ!うおぉぉ!開けろー! 段落境界線はどこだー 段落境界線だぁー!



●箇条書き
http://study-room.info/id/studyroom/cs2/study15.html
http://study-room.info/id/studyroom/cs3/study19.html
前に記事にしている便利機能。自動番号なら出現順に番号ふられるし、レベルを指定すれば自動で番号を振り直してくれる。記号なら指定の文字を挿入できる。テキストに変換することも可能。うう、なんて優れた機能なんだっ。





レベルなくてもいいから箇条書きくらいつけてくれよー。うおぉぉ!開けろー! 箇条書きはどこだー 箇条書きだぁ!

こうなるだろうという事は解っていたの。ここにテキストまわりの変更・進化があります。これを。

…ありがとう、お嬢さん。そのお気持ちだけありがたくいただきます(うちCS5だし…)。



とういわけで、ここまでIllustratorにないInDesignの段落設定を見てきたが、水増しどころか喉から手が出るほど欲しい機能がいくつも…。圧倒的じゃないか! なぜ、なぜここまで差を付ける、Adobeよー!!

と、(全然違う)アオイホノオ風はここまでにしておきますね。

ちなみに、Illustratorにしかない機能、「繰り返し文字の処理」は「久々」が行を跨ぐと「久久」に、「佐々木さん」が「佐佐木さん」になります。

いや、佐佐木さんはまずいんじゃないの? 「々」はデフォルトでは禁則処理で分離しないので、意図して使う機能なのでしょう。私もそのへん詳しくないので詳しく検証されているworks014さんの「なんでやねんDTP」を参照ください。


ぶら下がり(欧文)の方は、オプティカルマージン揃えが同等の機能のようですね(欧文組みよくわかってませんが)。



Illustratorはパーツを作ったりイラストを描いたりするソフトだからInDesignほどのテキスト機能は必要ない、メーカーはそう考えているようです。

しかし、現場では(推奨しませんが)小冊子くらいはまだまだ普通にIllustratorで制作されています。たぶん。月イチの8pや16pの会報程度だとInDesignをイチから覚えて機能を調べながら組むのと、使い慣れたIllustratorでヒィヒィ言いながら組むのでは、Illustratorに軍配が上がるのかもしれません。

でも、CSのデザインパックやCC契約の場合、InDesignがそこにあるのです。段落だけでここまで違うのだから、全体ではもっともっと便利な機能が盛りだくさんなのです。

例えば5人の対談があったとしてIllustratorでは、名前ごとに反転選択して文字スタイルパネルをクリックしていかなければならないところ、InDesignでは段落スタイルに正規表現スタイルで5人分まとめて設定し、テキストを流し込めばもう終了なのですよ。


というわけで、レッツInDesign!


(告知)
この場を借りて。8/23(土)17:30~(90分間) 湯島にあるMacデザインアカデミーにてInDesign経験者(初心者向け)の講習をいたします。

内容はInDesignを使っているものの、とっつきにくくてどのように使っていいかわからない、Illustratorの延長のような使い方しかできない、といった方に向けて、InDesignの概念を簡単な実践を交えて説明いたします。

ブログ記事とは関係なく、初心者のためにイチから書き下ろしました。まだ残席あるようですので、ご興味がありましたらお越しください(要申込み)。







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集団的自衛権を始めとする、日本の安全保障について国民の抱く疑問や不安に答えます。

InDesignのテキストスタイル

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以前Illustratorでテキストスタイルの検証をしましたが、InDesignもちゃんとやっておきましょう。
検証はMac10.8.5+CS5.5。


●InDesignとIllustratorは違うもの


前にも書きましたが、InDesignとIllustratorのテキストスタイルは、レイヤーのような同名の同機能とは違います。

基本のコンセプトは同じなのですが、機能や構造が別物です。よってこの記事はIllustratorの文字/段落スタイルの参考にはなりません。予めご了承ください。


●スタイルのメリット
スタイルは、
1. 設定をひとまとめにして管理できる
2. 適用するだけで設定した属性を一瞬で変更できる
3. 適用後は設定を変更するだけで一括変更できる
というメリットがあります。

さらにInDesignでは検索置換からスタイルを適用できるので、条件次第では一回の操作で全ページの見出しにスタイルを適用することも可能です。

↑このようなプレーン状態から


↑先頭に●のある行を検索して見出しスタイルに置換


↑一括でスタイル適用できた。100ページくらいあってもこれを数秒で完了します


一元管理による修正のしやすさもあり、手作業と比較して作業量やミスが確実に減ります。見出しのフォントやサイズ、カラーなどに変更があった場合、スタイルで設定しておけば、設定の変更だけで修正が可能です。

↑スタイルはリンク状態なので、スタイル設定を変更(ここでは文字カラーを変更)するだけで一括変更が可能



●スタイルの概念
使い回しで申し訳ありませんが、Illustratorのときにやった入れ歯の例えをもう一度。

上顎や下顎を見出しや本文などの文字クラスとしましょう。
クラスごとにサッと変えるなら、ひとまとめにしている総入れ歯が便利です。

そのうち2本だけ銀色の牙にしたいとなると、部分的に被せる入れ歯を使うと脱着が簡単なので便利です。

更に予め作ったスタイルを入れ歯とすると、手動で変更したもの(オーバライドという)は水溶性の粘土を上から盛ったようなものです。


↑こんな概念

↑全部装着すると見た目はこうなる


全体に粘土を盛った状態から水で流す(オーバライドを削除)と入れ歯に影響はありませんが、粘土は綺麗さっぱりなくなります。

↑このようにスタイルは属性を固定させる意味合いもあります


というような感じです。


●段落スタイルと文字スタイル
段落スタイルの適用範囲は1段落(先頭から改行まで)ごとです。一部の文字属性を変更することはできません。文字スタイルは文字ごとです。

一般的には以下のように運用します。

テキストは必ず何らかの段落スタイルに属する形になります。



●ベーススタイル
テキストフレーム上でテキストを打つと、まず「基本段落」という段落スタイルが適用されます。「基本段落」は項目が全て設定され、内容の変更はできますが名前は変えられず、削除もできない特別なスタイルです。Illustratorの標準スタイルと似ていますね。

↑デフォでは小塚明朝ProR、13Q、行送り自動……

ただし、Illustratorの標準スタイルのように、必ずしもこの基本段落を参照するわけではありません。段落スタイルには「基準」という項目があります。


これを「段落スタイルなし」にした場合、現在設定されている項目がスタイルの基準(=正式名称がわからないので勝手にベーススタイルと呼びます)となります。

つまり、基本段落であれ、段落スタイルなしのスタイルであれ、一番下のベーススタイルが段落スタイルの下敷きとなります。これはPhotoshopの「背景レイヤー」のようなイメージです。

このベーススタイルに別のスタイルを被せたり、手動で文字属性を変更することで別の書式に変えるというのが、InDesignのテキストの段落スタイルの基本となります。

↑大雑把ですが、スタイルの構造はこうなっています


フレームグリッド上でテキストを入力した場合、段落スタイルは適用されずベーススタイルもありません。また、スタイルとのリンクを切断した場合も同様に段落スタイルを外せます。それについては追記として後述いたします。



●子スタイル、孫スタイル
前述の「基準」を使ってスタイルを作ると、親子関係でリンクされた子スタイルを作成できます。子スタイルは変更部分のみを反映、変更部分以外は親スタイルを参照します。

↑この例では基本段落がベーススタイルで親スタイル、段落スタイルが子スタイルになる

子スタイルはPhotoshopで言えば背景レイヤーをリンク複製したレイヤーで、変更箇所のみ書き換えているようなイメージです。

さらにその子スタイルを基準にすれば孫スタイルも作成できます。曾孫スタイルとか玄孫スタイルとかもつくれるはずです。たぶん。

使用例として、見出しに2行取りなどのバリエーションがあるとします。それを子スタイルで作っておけば、見出しのフォントやカラーが変更された場合も親スタイルを修正するだけで子スタイル側も変更されるということです。

↑子スタイルは設定部分が親+●●という表記になる


↑親スタイルを変更すると、子スタイルも変更される(属性がバッティングしない箇所)



●文字スタイルの詳細
文字スタイルは「適用されている」か「適用されていない」かのどちらかで、ベースとなる基本スタイルはなく、段落スタイルの影響も受けません。

文字スタイルを適用した場合、指定した項目のみ変更され、空白項目は無視されます。こちらはPhotoshopでいう透明レイヤーのようなものです。

↑未設定項目は空白になる

↑段落スタイルと違って、未設定部分は空白となり下のランクがそのまま生きる


例えば色を青にするために文字カラーのみ設定した文字スタイルを作り適用すると、他の属性は一切影響を与えず色だけが変わります。


↑色をC100にした文字スタイルを作成

↑適用すると色だけが変わる

そして文字スタイルにも「基準」があるので、子スタイル孫スタイルを作成できます。



●優先順位
属性がバッティングした場合、優先順位が存在します。下から基本段落、段落スタイル、オーバーライド(手動属性変更)、文字スタイルの順になります。前述の通り基本段落はなしにすることもできます。


また、子スタイル、孫スタイルがあるとこんな感じに。孫スタイルが増えればその分のびる。文字スタイルの上からオーバーライドも可能です。


ややこしいのは、段落スタイルの中に先頭行スタイル、先頭文字スタイル、正規表現スタイルの順で文字スタイルを挿入できること。通常の優先順位と相まってややこしいことになります。



↑上記設定でこうなります。




というわけで、これも追加。

↑これもくせ者。段落スタイルに内包するのでややこしい




だからこうなる。


こうなると複雑なように見えますが、バッティングした場合の優先順位なので、実務ではそれほど頻発することはないでしょう。そういうことなんだーくらいの認識で大丈夫だと思います。

構造は順序の決まった積み重ねなので、Illustratorのようにハテナマークは出にくいと思われます。



●まとめ
というわけで、まとめ。
段落毎にかけるのが段落スタイル、部分的にかけるのが文字スタイル
・全てのテキストは段落スタイルに属する
・全てのテキストにはベーススタイルがある

・段落スタイルにはベーススタイルがある
・スタイルは子、孫スタイルを使ってバリエーションを作れる
・文字スタイルはアリかナシ。あっても上乗せするだけ
・属性のバッティングには優先順位がある


Illustratorと違い、段落スタイルと文字スタイルは全く別の領域にあります。
考え方としては段落スタイルがあって、文字スタイルが上に乗るだけです。
子スタイルや孫スタイルもバリエーション展開に有用ですし、優先順位もシンプル。


というわけで、InDesignのスタイルですた。

(2014.9.12追記)
works014さんからご指摘頂き、記事に間違いがあったことが発覚、ご教授頂きましたので訂正いたします。

「必ず段落スタイルが適用される」、「ベーススタイルがある」という2点は間違いで、必ずしもそうではありませんでした。

フレームグリッドに文字を入力した場合は段落スタイルは適用されません。

フレームグリッドに設定されている項目(フォント、サイズ、水平垂直比率、揃えオプションなど)が優先され、「自動行送り」もフレームグリッドに準じて100%となり、「文字の比率を基準に行の高さを調整」と「グリッドの字間を基準に字送りを調整」がONになります。


他の属性はその時点の文字&段落設定になるようです。


そして、このテキストはテキストフレームにコピペしても段落スタイルは適用されません。


↑優先される項目(たぶん…)


↑段落スタイルは適用されていません。


つまり、フレームグリッドに入力したテキストは、初期状態では段落スタイルもベーススタイルもありません。デフォルト+オーバーライド状態です。

この、フレームによってデフォルトで入力されるテキストの違いは、works014さんのブログ「なんでやねんDTP」さんにて詳しく検証されております。ご興味のある方はぜひ一度ご覧ください。動画もあるのでわかりやすいですよ(投げちゃってすみません^^)。


また、スタイルとのリンクを切断した場合も同様に段落スタイルを外すことができます。勉強不足から勘違いして誤った情報を流してしまったことをお詫び申し上げます。

works014さんのおかげでまたひとつ勉強になりました。間違った情報を広めずに済み本当に助かりました。


works014さん、昨晩は大変遅い時間までお付き合い頂き心より感謝いたします。
(2014.9.12追記おわり)

※勘違いや検証間違いなどありましたらコメントいただけると助かります。


















段落スタイルなしのベースについての検証

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前回段落スタイルについて、たうさんからコメント(&検証)をいただきましたので、改めて検証してみました。

この辺は、コックさんが砂糖や塩の元素記号を知らなくても良いのと同じように、知らなくてもほとんど作業に影響しません。

スタイル云々の本編とは直接関係ないのですが、こういう展開は大好きです^^。

<コメント引用>
スタイルとのリンクを切断しても(段落スタイルなしの状態でも)、段落スタイルパネルの「オーバーライドを消去」が使えてしまうことから分かるように、「なし」はなんにもないんじゃなくフォントやら文字サイズやらが定義されてる一種の段落スタイルです。



「段落スタイルなし」スタイル説ですね。
確かに基本段落のスタイルリンクを外して「オーバーライドを消去」が使えるので、更に下にも設定があるのは確かなようです。

では、初期設定を変更して、「段落スタイルなし」はどの設定の影響を受けているのか探ってみましょう。

文字に関する設定は、レイアウトグリッド、フレームグリッド、段落スタイルの基本段落です。この辺はworks014さんが詳しく検証されております(参考にさせていただいております)。

レイアウトグリッド、フレームグリッド、基本段落の初期設定を以下のように変更してみます。



レイアウトグリッドから見てみましょう。文字を入力しても段落スタイルは適用されません。

テキストはグリッドフォーマットのレイアウトグリッドが当たっているので、16Q新ゴUになっています。

↑レイアウトグリッドはこうなります



フレームグリッドもこのとおり、段落スタイルなしのグリッド設定通り。

↑フレームグリッドはこうなります


テキストフレームはテキストを入力した時点で段落スタイル「基本段落」が適用されます。ここまで全て「13Q小塚明朝Pro-R」ではないことを覚えて置いてください。

↑基本段落はこうなります


では、テキストフレームのテキストの基本段落をリンク切断してみましょう。


段落スタイルメニューに「オーバーライドを消去」の項目があることからオーバーライドされていることがわかります。




で、オーバーライドを削除しました。



…いつもの初期設定13Q小塚明朝Pro-Rのやつです。しかし今回のドキュメントデフォルトにこの設定はありません。この設定はどこから来たのでしょうか。

3つのデフォルト以外にもデフォルト設定があるのか、アプリケーションに予め組み込まれている設定なのか。思い当たる設定がないのでとりあえず保留します。



フレームグリッドとレイアウトグリッドの場合は、「オーバーライドを消去」するとグリッドの設定に依存します。

↑フレームグリッドだとプレーン状態はグリッド設定に依存


これらをまとめると、
・フレームグリッドに入力すると段落スタイルは適用されない
・段落スタイルなし状態ではフレームグリッド設定に(リアルタイムで)依存する
・テキストフレームでは強制的にスタイル切断しないとスタイルなしにならない

ことから、「段落スタイルなし」は、フレームグリッドでスタイルを使うまでもなくサラリと使うことを想定したものなのかなー、と思ってしまいます。


<コメント引用>
なおフレームグリッドでは、「段落スタイルなし」と「段落スタイル」の間に「グリッドフォーマット+文字の比率を基準に行の高さを調整ON+グリッドの字間を基準に字送りを調整ON」が入るようです。


「グリッドフォーマット+文字の比率を基準に行の高さを調整ON+グリッドの字間を基準に字送りを調整ON」はチェックを外しても「オーバーライドを消去」がグレーアウトしています。



↑「文字の比率…とグリッドの字間…」チェックを外しても「オーバーライドを消去」はグレーアウト


しかし、他の設定ごと「オーバーライドを消去」すると、「文字の比率…とグリッドの字間…」はチェックが入るという特殊な仕様です。

以上から、コメントのように、初期設定+グリッド設定+「文字の比率…とグリッドの字間…」の設定なのかもしれません(このへんの挙動、正直よくわかりませんでした)。


●仮の結論
スタイルは「1 回の操作でテキストに適用できる、文字書式の属性の集まりです」とあり、さらに「リンク状態であり、変更可能」とう要素もあります。

今回の「段落スタイルなし」の下にある設定は手が出せない領域っぽいので、「スタイル」とは呼べない気がします。ただし、この検証から段落スタイルの下に文字を司る設定があるのは確実なようです。

↑図にするとこんな感じ?

間違いやご意見などありましたら、コメントいただけたら幸いです。

↓TwitterでもOKです。
@knym_a














トレーステクニック(現代版)

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先日、モータースポーツジャパンがてらお台場に遊びに行ってきました。なんとガンダムの目の前に幻の車MID4(2型)が展示されていました。せっかく写真を撮ってきたのでトレースでもするか(←おかしい)と、久しぶりにIllustratorでトレース作業をしてみました。



Illustratorのパスの描画やハンドルの挙動は初期の頃からほとんど変わっていません。なので、トレース作業は2013年発売のCCまではペンツールとハンドルを駆使して曲線を描くのが基本でしょう。

もちろん、ツールや機能の強化により初期に比べてだいぶ楽にはなっていますが、パスそのものをコントロールする部分はやはりペンツールとハンドル操作で行います。

しかし2014年発売のCC17.1以降、ライブコーナーやセグメントの変形、アンカーポイントツール、曲線ツールや連結ツールなどパスまわりが積極的に強化され、扱いの難しかったベジェ曲線を比較的簡単にコントロールできるようになりました。

今まで数十年なおざりにされていた部分が、標準で強化されたことはとても喜ばしいことです。

しかしながら、最新バージョンを使え(わ)ない人もまだまだ健在。そんな方はお金かかりますが、プラグインを導入してみましょう。戦闘力が格段にアップしますよ。

というわけで、あと10年は戦える「Illustrator CS5改」にて現代版のトレース工程をご紹介しましょう。「改」は強化作戦でご紹介したプラグインAstute GraphicsさんのDynamicSketchVectorScribeによるカスタムです。

実はこのプラグイン、CC17.1以降で強化された機能とほぼ同じものも含まれます(あまりにも同じなので、技術提携もしくはジャイアンがあったと睨んでおります)。なので、プラグインなしでもCCなら(使い勝手は違いますが)同様の事ができると思います(未確認^^)。



今回は「写真からの線画起こし」という想定で進めます。塗りを考慮しないのは気が楽ですね。線画なら色塗りはライブペイントでも塗れますからね。

さて、従来の方法でトレースをしているといくつか難易度の高い場面に出くわします。

まず流線型の多い車は、間取り図などとは違いベジェスキルによる差がハッキリ現れます。例えば、曲線から鋭角に折り返してまた曲線を描くような場合、スタート時点でハンドルを引きだし、ポイントでハンドルをドラッグして調整、ハンドルタイプを切り替えまたハンドルを引き出し、ポイントでハンドルをドラッグして調整…、初心者には敷居の高い作業ですね。

この場合、現代版では基点にアンカーポイントを打ち、VectorScribeのPathscribe Tool(CCのセグメント変形相当)でセグメント(アンカーポイント間の辺のことね)上をドラッグするだけで作成できます。



これCC標準のほうがツールを持ち替えなくても一時的にオプションキーでいけるので作業が捗ります。

また、長いセグメントが微妙にカーブしているような場合、引き出すハンドルが長すぎてセグメントが見えなくなったりしますが、これも上記の方法で解決できます。



次に回り込むような曲線で終わるストロークはハンドルの編集がやりづらいうえ、パスがはみ出したり隙間が空かないよう神経を使います。

この場合、現代版ではわざとはみ出すように長めのパスを描きDynamicSketchツールでshift+ドラッグ(シェイプ形成ツール相当)すれば、はみ出し分は削除されるのでアンカーの位置やハンドルの調整に気を遣わずに作業できます。



DynamicSketchツールはパスを選択しなくても適用できるので、シェイプ形成ツールよりも使い勝手がいいです。DynamicSketchツールはペンタブレット併用の手描きイラストに最適と思われがちですが、実はトレース作業でもかなりの威力を発揮します。

色を塗る必要のない線画の場合、6の字状のパスを描く機会も多くあります。しかし、作業中のパス上でクリックするとアンカーポイントの追加になりパスを描けません。このような時はわざとはみ出してカットすればいいのです。




そしてこのツールは2本のストロークのはみ出し部分を削除して繋げることも可能です(結合ツール相当)。微妙な角Rなどは結合してからVectorScribeのDynamicCorner Tool(ライブコーナー相当)でドラッグするだけで綺麗な曲線が作成できます。



これらのツールを駆使するだけで、今までベジェスキルに依存していた曲線の編集が簡単に行えるようにます。

ここでご紹介しているプラグインは外国製で、円安の影響もあり揃えるとけっこうお高くなってしまいます。しかし、ベジェの修得にかかる費用対効果としては決して高くはないと思います。

発売元のAstute GraphicsさんはSubScribeなどフリーのプラグインもいくつか提供されています。過去記事で紹介しておりますが、場面によっては非常に役立つツールです。フリーなのが信じられません。

さて、他にもプラグインでは無いトレースのテクニックをご紹介。

取っ手部分はパースが付いているので少々難易度が高めです。角丸や平行が描きにくく、少しでも角度が狂うとおかしく見えてしまいます。

幸いにもほぼ平面上にあるので、Photoshopの遠近法でトリミングして平面でトレース後、自由変形で変形するという手法が使えます。


↑Photoshopで遠近法トリミング


トリミング時の縦横比率は後で変形するので気にせず、やりやすい比率でトレースしましょう。これはパースの付いた看板などにも応用できますね。



↑比率を適当に調整してトレース



↑自由変形ツールで調整




もう一つ。長いストロークでプラグインを使わずに微妙な曲線を作る方法をご紹介。
Illustratorでは直線上に追加したアンカーポイントは引っ張っると角になってしまいますが、曲線上だとスムーズポイントのまま引っ張れます。


↑直線上のアンカーポイントは角になる


直線の終点にハンドルをちょっとだけ出しておけば、任意でポイントを追加後つまんで変形できます。

↑ハンドルがある直線ならドラッグしても曲線になる



これはパス上にポイントが2点以上あるような時に効果的です。これはバージョン8でも使えるテクニックです。

↑更に追加してドラッグしてもカーブは綺麗。ペンツールとハンドル操作では難しいなだらかなカーブが簡単に描けます



プラグインや新機能によりラクになったとは言え、個人的にはまだまだ不十分です。かゆいところに全然手が届いていない。ニッチすぎてメーカーが気に留めないだけなのか、はたまた面倒なのかはわかりませんが。

そんなときはスクリプトを使ってみましょう。幸せになれること間違いなし。
過去記事や神速Illustratorでも一部ご紹介しておりますが、特にこのお三方のスクリプトは神の領域です。押さえておけば足りない操作はほぼカバーできるのではないでしょうか。

PICTRIXさん 
s.h's pageさん (神速Illustrator記載時から移転しています)
kamisetoさん 



というわけで、最後にトレースの完成品を。線画なのでアートワークも全く同じです。潜り込むパスはことごとく削除しました。微妙な調整ができなくなりますが、一発ものと割り切ってこれもありかと。



色を付けたい場合、ライブペイントで色塗り→拡張すれば塗りや加工も問題なくできます。

↑ライブペイントで適当に色付け。拡張すればもっと自由に編集できます



今回私はプラグインを使用しましたが、CC以降のパスまわりの強化によりトレースの難易度は確実に下がっています。何となく苦手だった方も新機能やプラグインを使ってチャレンジしてみましょう。新しい発見が見つかるかもしれませんよ。










Ai-Aiリンクの注意点(その1)

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Ai形式のデータはAiにリンク配置できます。リンク配置というと画像が一般的ですが、Illustratorデータの配置も場合によっては有用です。

例えば、雑誌の表紙に別で作成した付録の表紙を配置するとしましょう。

↑右下の白い部分に、別進行の付録表紙が入るとしましょう


↑コレが付録表紙のデータ


このとき、付録の表紙データをそのままコピペするよりも、リンクで配置してしまえば一部のオブジェクトを誤って動かしてしまうことはありません。


↑触らずに配置。拡縮時に線の拡大縮小とかに気をつける必要なし


後々修正が入っても位置や角度の調整は必要なく、リンクの更新や差し替えだけで済んでしまいます。

また、複数ドキュメントで使う同一のアイキャッチなども同様に、元データを一元管理できるので修正時の差し替えが簡単になります。

↑バクダンの色変更とかめんどうだけど…



↑リンク配置なら元を修正して更新するだけ



しかし、Ai-Aiリンクは気をつけなければならないところもあります。注意すべきは「変形」と「埋め込み」です。

Ai形式のベクトルデータは、リンクを埋め込みにすると、オブジェクトはベクトルデータに戻り、元データの線幅を維持します

このとき等倍なら埋め込んでも問題ありませんが(他の問題はあるかも)、リンクデータを拡縮していた場合、パスは元データの線幅になるので絵柄が崩れることになります。これは、線幅と効果を拡大縮小にチェックが入っていても関係ありません。

↑下の2つはリンク配置後変形


縮小時などは、変形されたバウンディングボックスのサイズでマスクされ、絵柄が変わるうえ一部が切れてしまいます。


↑埋め込むと変形のかかったオブジェクトの線幅が元データの線幅になる。マスクで縁も切れている


↑データとしてはちゃんとベクトルデータになっています。マスク解除すれば切れていた箇所も出現します



ただし、線幅プロファイルの当たっている線とアピアランスの線は埋め込み時に拡張されるので、見た目通りになります。

これは、手作業で埋め込みをしなくても、データ保存時に「画像の埋め込み」にチェックが入っていると、次にデータを開いたときには、リンクでなく埋め込みになります。2度と開かずにInDesignなどに配置する分にはセーフですが…。



Ai-Aiリンクは決して禁じ手ではありませんが(かなり近い気もしますが)、使い方を誤ると危険なので注意しましょう。変形をかけず、埋め込みをしなければ良いのですが、上記のように、知らずに埋め込んでしてしまうことも考えられます。

しかも、その場合は次工程の作業者が開くケースがほとんどでしょう。リンク情報も、拡縮率の情報もなくなっているので、見本と違っても修復はほぼ不可能です。



さて、ドキュメント内で同一データを使い回すようなケースでは、Ai-Aiリンクよりもシンボルを使用することをオススメします。

シンボルは外部にデータを持つ必要も無く、リンク切れや保存時の強制埋め込み等は回避できます。

↑ドキュメント内の一元管理に便利


シンボルの場合は、拡縮してリンク解除しても、比率にあった線幅になります。ただし、変倍がかかっているものは、仕様上絵柄が崩れますので注意しましょう。

↑パスに変倍はかかりませんので、右下のように変倍のものは絵柄が変わってしまいます


シンボルは勝手に解除されないし、わざわざ解除する必要はないので、気に留めておく程度で良いと思います。

また、リンクしたものを更にリンクしてから埋め込むと、シンボルと同様に比率にあった線幅になります。

↑リンクして保存したものを更にリンクして埋め込むと、線幅は比率通りになる。変倍はダメだけど…


※検証はMacOS10.8.5+CS5.1で行っております。バージョンによっては仕様が異なることがあります。ご了承ください。






Ai-Aiリンクの注意点(その2)

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今回は、以前Twitter上で検証しつつ放置していた、「Ai-Aiリンクでグラデーションが化ける」という事例をご紹介します。元は掲示板らしいのですが、私の検証の発端はかたやなぎさんのツイートからです。

事象としては、グラデーションのあるAiデータをAiリンクで配置して、画像を含むチェックをいれて保存(自動埋め込み)し、再びIllustratorで開くとグラデの設定が化けるというものです。

↑この状態でai形式で保存し(画像含むチェック)、Illustratorで開き直すと


↑このようにリンクのグラデ形状が変わります


不思議なのでいくつか検証をしてみました。

まず、Illustrator(CS5.1)でグラデーションのデータをai形式で保存します。これをAとします。

↑普通のグラデーションです。これをAとします


このAを別のドキュメントへリンク配置、埋め込みの2パターン用意し、ai形式(配置した画像を含むチェックあり)で保存します。これをBとします。

↑同じデータAを埋め込みとリンクで配置します。ai形式画像を含で保存したこれをBとします



Bをデータ抽出ソフト「FileJuicer」で内包データ(PDF)を抽出したものをCとし、それぞれの挙動を検証しました。

↑抽出したPDFをCとします。



●テスト1
BとCをIllustratorとAcrobatで開いてみる。
BをIllustratorで開く→埋め込みはOK。リンクは化ける。
CをIllustratorで開く→埋め込みはOK。リンクは化ける。
BをAcrobatで開く→両方OK。
CをAcrobat→両方OK。



●テスト2
Bを別のドキュメントにAiリンク配置。
画面上→OK。


これをai形式で配置画像を含むで保存し、Illustratorで開く→両方化ける。

ここでわかるのは、リンクは開かずに配置したときには化けていないということ。そして、更にリンクしたものは、正常だった埋め込みもリンク同様に化けてしまうこと。



●テスト3
ai形式だけでなくeps形式でも試してみます。Aを別のドキュメントへリンク配置、埋め込みの2パターン用意し、画像含むチェックありでeps保存。



Illustratorで開く→埋め込みはOK。リンクは化ける。



FileJuicer抽出PDFをIllustratorで開く→両方OK。

※これはepsがIllustrator編集用のネイティブデータとPDFの2つを内包するため、このような結果になるようです。

epsデータをAcrobatで開く→両方OK。
FileJuicer抽出PDFをAcrobatで開く→両方OK。



●テスト4
グラデの設定を変更してみる。

↑わかりやすく小さく平たくしてみました。


テスト1と同様に、リンク配置後Illustratorで開くとこうなる。

↑どのような条件で変化するのかはよくわかりません。

角度や扁平率はママで大きくなるようです。ちなみに、丸グラデでテストしておりますが、直線グラデでも同じように幅が変わります。



●テスト5
nDesignに配置してみる。
InDesign配置→画面上OK。

↑オーバープリントプレビューで表示。化けていませんね。

それをPDF書き出し→OK。

↑PDF書き出したものをIllustratorとAcrobatで開いてみたが、共に化けていなかった。



これらの検証から、
・一度埋め込んで化けていなかったものも、もう一度リンクして画像含む保存をすると化ける。
・化けるのはIllustratorで開く場合のみで、AcrobatやInDesignでは化けない。

以上のことからとりあえず仮説。
グラデーションを使用したAiデータは「画像含むで保存」すると、次にIllustratorで開く際「解釈の違い」でグラデーションが化けるのではないかと。

こちらは保存時の自動埋め込みの際に起こり、グラデの大きさが微妙に変わるという、前回よりも気付きにくい事象です。イラスト内に使用されていたら見本が添付されていても気付かないケースもあるでしょう。

前回の線化けとの複合技もありえますので、支給データなどでリンクがないのに不要なAiデータが添付されていたら、Ai-Aiリンクで埋め込まれている可能性を疑い、特に注意しましょう。

※この記事は過去にTwitter上で、ひなたさん、かたやなぎさん、MD5500さん、(z-)さんの助言を元に検証したもののまとめです。皆様その節はありがとうございました。

パスつなげあれこれ

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Illustratorではパスの端点同士を連結するのはよくありますね。連結する方法はいろいろありますが、ここでは3つの方法をご紹介いたします。



まずは定番の「連結コマンド」、オブジェクト>パス>連結(コマンド+J)。これはアンカーポイント同士を直線で結びます。単純で分かり易いですね。



昔は3点以上のアンカーポイントを選択していると、警告が出て連結できませんでしたが今は改善されています。

CS4は未使用なので知りませんが、少なくともCS5.1以降では複数のパスを選択している場合、距離の近いアンカー同士をつなげてくれます(但し、白ポイント含む選択は不可)。破線などをサッとつなげたい場合は非常に便利です。




また、アンカーポイントが重複していても重複アンカーは自動的に削除するので、ぶちぶち切れているような図形の修復も簡単です。





オープンパス同士の連結は一番間隔の広い箇所はつなげません。これは、複数のパスを一本につなげたときに余計なパスを作らないためだと思います。クローズドパスにしたいときは、さらに連結(コマンド+J)すればいいだけですから。





私、連結時は端点のみ選択するクセがついているうえ、複数のパスはスクリプトでつなげていたので最近まで気付きませんでした^^

Illustratorなのに、というのは大変失礼ですが、出現順(階層順)につなげるような機械的な仕様でなく、見た目通りの感覚でつなげてくれるのは驚きました。

これよく考えられています。うん、ナイス仕様。




次に、現在最新のCC2014から搭載された「連結ツール」をご紹介。これは形状が限定されますが、アンカーポイントの連結がさらに手軽になります。




まず、パスが交差している場合は、ドラッグした箇所を削除して連結します。角が続くような形状の場合、ペンツールで方向線を切り替えながら作成するより、ササッと交差したパスを描いて連結ツールでつなげる方が簡単です。





また、パス同士が離れている場合は、端点を延長した交差点をコーナーポイントとしてつなげるので、角の欠けたようなパスの復元は手動では困難ですが、コンマ数秒で完了できます。


仕組みはこういう感じ。曲線でもそれなりに延長してくれる。





このツールIllustrator標準にしては珍しく、選択していないオブジェクトにも適用できるうえ、大ざっぱにドラッグするだけなのでとても使い勝手が良く、ペンタブやタッチとも相性が良いです。

これはサードパーティのプラグインの影響を受けている気もしますし、タッチ操作を意識しているようにも見受けられます。どちらにせよ、良い方向に進化していますね。

ただし、形状によっては元のパス形状をカットしますし、点線のようなものはつなげられません。

連結ツールは単純にパスの端点同士を連結するものではなく、交差部をつなげたり、端点の延長部をつなげるという、ちょっとクセのあるツールだと認識しておきましょう。

仕様をきちんと理解すればパス連結の強力な助っ人になることはまちがいなさそうです。

※テストでは空振りや削除の順番が違うと連結できないこともありました。もっと使い込んでみないとわからないことがありそうです。




最後に、AsututeGraphics社の無料プラグイン「SubScribe」の「connectツール」をご紹介します。



いい感じにパスを連結するならこちらがオススメです。連結ツールに似ていますが、つなげ方はかなり違います。機能的に被らないので併用するとよいでしょう。(CS5以降で使えます)。

connectツールは、連結の際に端点の延長をコーナーでなくスムースにつなげてくれます。こちらはどのような形状でもつなげられ、元のパス形状を維持したまま自然につなげるような感じです(多少パスが変形することもあります)。





操作も連結ツールと同じドラッグですが、アンカーポイント同士をスナップする必要があるので、連結ツールのように大ざっぱにいきません。

こちらはフリーハンドのものをつなげるような場合に使うと良いでしょう。

このようにIllustratorには異なる連結方法があります。各機能の仕様を踏まえてケースバイケースで使うとパス連結が捗りますよ。


余談ですが、CC2014持ってないけど連結ツールいいなーという方には有料プラグイン「DynamicSketch」をおすすめします(CS5以降)。機能的には交差部の削除に限りますが、連結ツールと同様にドラッグするだけで素早く連結ができます。
※DynamicSketchの機能の一部です。










遠近グリッドの視点移動

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以前、CC17.1で遠近グリッドの視点移動方法がわからずほっぽらかしにしていたのですが、その後HPで解決策を確認できたのに表示のバグで再び保留して、CC契約切れてもうすっかり忘れてました。(表示のバグはウチのマシンの問題だったようです)

先日DTPTransitさんの記事「Illustratorの遠近グリッドの「消点」や「水平線レベル」のドラッグに応じて、遠近オブジェクトを変化させるには「測点のロック」が必要」を見て思い出しました。さらに当ブログのリンクを張っていただだいた記事で追記すると言っていたことも思い出しました^^


ところで素朴な疑問ですが、遠近グリッドを使っている人はいるのでしょうか?

箱や単一のビルや壁のようなものなら簡単ですが、Adobeデモでは町並みを再現しています。あれをつくるとなるとけっこうな手間がかかりますよね、合わせ目とか。

しかも、真似してみたところ、視点変更をするとだまし絵のように破綻してしまいます。何かコツがあるのでしょうか。

↑こんな感じに看板をつけて視点変更してみると、

↑だまし絵かいっ!



とはいえ、視点変更ができるようになったのはありがたい。貼り付けただけで終わりの以前よりは使い勝手がいいのは間違いありません。

しかしそれだけではつまらないので、3Dオブジェクトを半手動で連動させてみましょう。

まずビルを遠近グリッドに貼付けます。

↑こんな感じ



次にその視点に合うように3Dオブジェクトを調整します。3Dは以前の記事を参考にしてください。

次に3Dオブジェクトをブラシ化しますが、CCでは3Dオブジェクトをそのままブラシ化できます。こちらはイラレ時短テク「画像ブラシを使って、オブジェクトに花を敷き詰める>効果がそのままブラシに」を参照してください。



ブラシの遠近グリッド適用に関しては以前検証した記事か、神速Illustratorのp133「028自然な群衆シーンを素早く作る」を参照してください。

↑3D化してブラシ、遠近グリッドへ配置してこのように



では、ここから視点を変更してみます。表示>遠近グリッド>測点をロックにチェックを入れ、ガイド上の○をドラッグして移動してみます。

↑測点をロックしないと視点変更できない


↑右の○を左へドラッグ。水平線の移動で上下の移動も可能です。

↑車の並びが駐車場みたいになってしました。


木はごまかしききますが、車の角度が変になってしまいましたね。
元の3Dオブジェクトを選択し、アピアランスパネルから角度を調整してブラシを上書きします。

↑3Dの角度を変更


↑ブラシを上書き適用すると一括で変更されます

まあ、許せる範囲かな。こんな感じで半手動で変更できます。がんばったわりにはあんまり使い道ないなコレ^^

しかも、3Dのオブジェクトの視点は均一なので、角度によっては遠くへ行くほど不自然になります。あくまで3D風なので注意しましょう。

遠近法なしのアイソメ・アクソメグリッドとかあると、もうちょい使えそうなんだけど。

あと、遠近グリッド表示はエスケープキーで抜けられます。あのちっさいウェジェットの×ボタンクリックするのが面倒な方は、こちらを覚えておきましょう。


Illustratorで立体的な地図を作る

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©namco


遠近グリッドをやっていたら立体地図を作りたくなってしまいました。コレ実は3Dネタの時に思いついたのですが、面倒だったのでほっぽらかしにしていました(こればっか)。

さて、このような立体地図を手で作るのは大変ですが、3D機能を使えば簡単に出来そうな気がしませんか?

3D機能の前身であった20年位昔のソフト、Adobe Dimensionsなら押し出してY座標を整えるだけでしたが、3D座標を持たないIllustratorではそう簡単にはいきません。

そこを何とか、実用性はあまりないけど無理矢理立体化してみましょう。

まず、建物の高さごとにレイヤー分けします。今回は地面、森、建物、ツインタワーの4階層ということにしましょう。この時それぞれのパーツだけ分けるのではなく、座標軸を合わせるため大外の枠は全てのレイヤーに入れます。

↑高さごとに4つの階層に分ける



外枠は塗りを「なし」だと3Dオブジェクトから除外されてしまうので不透明度を0にしておきます。



レイヤー分けが済んだら下から行きましょう。

レイヤーパネル右の○をクリックしてレイヤーに対して効果をかけます。

↑右の○をクリックして効果をかけると、レイヤーに対してかかる



効果>3D>押し出し・ベベルで位置をアイソメトリック法-上面にし、押し出しの奥行きを指定します。今回は10ptとしました。

↑効果は流用するので、光源などの設定はこの時点で決定しておいてください


※地面が複雑な場合は処理が重くなり処理落ちも多くなるので、効果>3D>回転体を使う方が良いかもしれません。



次に、レイヤーパネル右のグレーになった●を上のレイヤーにオプション+ドラッグして効果をコピーします。高さを変える場合は、押し出しの奥行きの値を変更します。3Dの奥行きは座標中心から上下に伸びますので、差分を変形効果で移動します。

↑効果はオプション+ドラッグでコピーできる



差分はアイソメトリック法-上面の場合、1ptで約0.815pxです(100ptで81.516 pxでした)。式は変形の垂直値を「(地面の奥行き+建物の奥行き)÷2×-0.81516pxでいけそうです(数学苦手)。

↑森の高さも10ptなので、8.1516pt分移動する(今回はpx=ptなのでpxのままいっちゃってます)


残りのレイヤーも同様の手順で作成します。奥行きや移動の変更はレイヤー右の●をクリックした状態でアピアランスパネルの該当項目をクリックして設定します。

↑レイヤー効果を編集する際は、●をクリックしてアピアランスパネルで編集する

建物:奥行き20pt、移動-12.228pt
ツインタワー:奥行き70pt、移動-32.6pt


建物の高さと位置関係により、前後が狂うことがあります。

↑あちゃー



そんなときは焦らず騒がず、該当のレイヤーを複製して不要なパーツを削除します。

↑まず建物レイヤーを複製してツインタワーレイヤーの上に移動する


重なる建物と外枠以外を削除します。

↑引っ掛かった建物以外は削除


で、完成と。




地図変更の可能性がなく構図が決まっているようなら、無理にアピアランスで制御するよりも、早めにアピアランスを分割してオブジェクトを移動した方が早いかもしれません。

かっこよくパースを付けたくて遠近の値を入れると、座標がずれるので使えません。こんな苦労して視点変更どころか、パースも付けられないとはね…。


気を取り直して、同じ手法でこんな事もできちゃいます。複雑なものはヌケが多くて微妙だけど。
画像のドット化はこちらを参照。







ちょこっとだけ帰ってきたIllustrator強化作戦

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Illustratorに機能を追加する「プラグイン」はほとんどが有料ですが、手間や仕上がりを考えると、すぐにペイできるものも少なくありません。

今回は、Illustratorのかゆいところに手が届く、孫の手のようなプラグインメーカーAstute Graphicsさんの「MirrorMe」というプラグインをご紹介します(詳しくはリンク先のサイトを参照してください)。



実は私、「MirrorMe」は他のプラグインとバンドルセットで買ったもののほとんど使っていませんでした。せっかく面白そうなプラグインですので記事を書くがてらちょっと使ってみました。

「MirrorMe」は設定した軸を対称にしてオブジェクトを描画できるツールです。

以前「イラレ時短テク」でアピアランスで左右対称で描画するという記事を書きましたが、リアルタイムで反転描画が可能なのは似ています。



しかしこちらは有料プラグイン、使い勝手はこちらが断然上ですし、できることは段違いです。

↑描いているのは半分だけ
©藤子・F・不二雄


↑オブジェクトを変更するとリアルタイムでもう反対側も追従。完成イメージを見ながら調整できる


時短テクの方法では右端や左端が軸となるので、はみ出しに気をつけたり拡張後に繋げる作業が必要でした。

しかし、「MirrorMe」はアピアランスとは異なり、軸を越えた部分は自動的に削除されてそのまま一つのオブジェクトとなります。拡張して繋げたりする必要はありません。


↑軸を越えたものは自動的に消え、合体して一つのオブジェクトとして認識される



さらに軸を増やせば万華鏡のようになり、後から軸を回転したり、移動することも可能です。幾何学的なパターン作成にも効果的です。


↑後からいくらでも編集できる。軸を増やしたり回転したりも直感的にできます



さて、作例どうしようと思ったけど、とりあえず思いついたのはアレ。そう、カバードコアです。

↑©コナミ



本体は天地対称でカバーは3分割と、まさにこの機能を使うために作られたようなデザインですね(違う)。

まず本体を描いてゆきます。ミラー効果はレイヤーごとにかけます。

↑チョウチョアイコンのMirrorMeツールを持って、

↑軸を設定



軸を1本、角度を0°にすると、水平を軸にして、天地対称に描画されます。

↑透明度は変更できます。半分描けば出来上がり。



ちなみにライブペイントはMirrorMeでは化けてしまうので使えません。昔ながらのオブジェクト塗りで描画するか、とりあえず線画を描いて拡張後に塗るかになります。

まあ、せっかく反転するので今回は昔ながらの塗りの方にしましょう。ライブペイントに慣れまくった私はカンがとり戻せませんが…。

軸に引っ掛からないオブジェクトはグラデだろうとパターンだろうと完璧に反転します。

しかし、軸を跨ぐオブジェクトは1つのオブジェクトになるので、塗りがパターンやグラデなどが反転しないことを覚えておきましょう。ベタ塗りなら問題ありません。

↑目は反転しているけど、口は軸を跨いで一つのオブジェクトなので塗り(パターン)は反転しない



次にカバーです。レイヤーを1つ追加してMirrorMeパネルから角度を90度、軸を3本にします。すると6分割されるので、そのうちの半分30度分を描画するだけで1周のカバーが描けてしまいます。これはラクチン。


↑実際描くのは30度分だけ



ちょっと困ったのが軸上には線が描画しにくいこと。角度によるかもしれませんが、うまく描画できずに消えてしまいました。この辺はまだ検証不足です。

MirrorMeに慣れていないと、この程度のものなら普通に回転やリフレクト、移動などで作成した方が早いでしょう(私は間違いなく早い^^)。

が、リアルタイムでプレビューされるので、完成のバランスを見ながら作成できるのがメリットでしょう。

シンメトリーの図面トレースや、キャラ作成などではとても役に立ちそうです。





あとは万華鏡のようにナリユキで作ってみるのも面白そうです。

↑Illustratorルールに準拠するので、スマートガイドなども生きています


Astute Graphicsさんのプラグインは、サードにしては標準機能以上にIllustratorらしく、スマートガイドに吸着したりシフト押しで回転角度をや移動方向の制限など標準ルールに準拠しています。こういうのはユーザーとして嬉しいところですね。

気になった点として、画像やフォントは性質上反転しません(複製コピーされる)。

また、アピアランスは本体が対象になるので、見た目では軸で対称にならないものもあります。

↑アピアランスは本体が対象となるので、見た目部分は軸を越えて反転しています。ややこしくなってきた


他にも複雑な機能は何かしらありそうな雰囲気です。

でも、とっても面白いプラグインなので、地道にバグフィックスされて完成度が上がるといいですね(実はけっこうクラッシュした^^ ※CS5.1とCS6を使用)。










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ちょこっとだけ帰ってきたIllustrator強化作戦2

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地図っていいな(ボソッ)。

私、地図が大好きで、昔はスーパーマップル(書籍)を買ってずっと眺めておりました。最近はグーグルマップやグーグルアース、iOSの3Dマップなど、ものすごく進化した地図をいつでも利用でき、素晴らしい時代になった幸せをかみしめております。

それはさておき、地図作成はIllustrator向きの作業なので、Illustratorを使っているならば作ったことある人も多いことでしょう。

地図は地面、道、目印などをレイヤー分けして作るのが一般的だと思いますが、大きめに作成した地図から一部分を切り出す際などは苦労しますし、データの造り次第ではうまくいきません。

↑背景と道路をレイヤー分けの図


↑この地図から青囲み部分のみ使用するとしましょう


↑ダイレクト選択ツールで選択したら複合パスがうまく切り取れませんでした。背景も一枚なので選択できず



まあ、クリッピングマスクをかけてしまえば良いのですが、余計なオブジェクトが残る、せっかく分けたレイヤーが統合される、マスク内のオブジェクトは選択しづらいなどの問題があります。
※↓DTPTransitさんが回避策を紹介しています。
DTPTransit/(オブジェクトベースでない)レイヤーのクリッピングマスクの使いどころ



そこで今回は、任意のオブジェクト形状でその他のオブジェクトを切り抜くことができる有料プラグイン「plugx-clipper」をご紹介します。発売元の(株)地理情報開発さんは超使える画像抽出プラグイン「plugx-ReplaceRaster」を無償配布していることでも有名です。
※ライト版は回転の無い長方形のみ



え、そんなのパスファインダーの分割でできるんじゃ? と思う方もいるかもしれませんね。

では実験してみましょう。

↑抜くのは青囲みの範囲



分割をかけると、塗りのないパスはブツ切り要員になって消えちゃいました。


↑線路が消えて他のオブジェクトが線路に沿ってカットされてる



背景と道が抜き合わせになっちゃいました。

↑レイヤー統合、背景と道路が抜き合わせに


さらに分割後余計なオブジェクトも手動で削除しなければなりません。



でもplugx-clipperなら、切り抜くオブジェクトを選択して、コマンド一発で完了。このときオブジェクトは最前面になくても大丈夫です。

↑一発でこうなる




オブジェクト構造も階層もレイヤーも保ったままです。




↑背景もレイヤーも生きてる



第一線を退いた「フィルター」コマンドは今はほとんど使われないと思われるので、2回目以降適用する場合は「前回のフィルタを適用(コマンド+E)」でバシバシいけちゃいます。ま、頻繁に使うなら元々ショートカットを当ててしまう方がラクですけど。




注意点は、指定オブジェクト範囲外を全て削除してしまうこと。消したくないものは予め「ロック」や「隠す」を適用しておきましょう。

プラグインは実体のオブジェクトを加工します。このため加工後線幅がはみ出して指定の寸法にならないこともありますが、パスの制約上仕方のないところです。


↑正確なサイズで切り抜くため、仕様上線幅がはみ出したりする


パスを途中で削除するので破線や線幅、ブラシ、矢印、グラデなどを使用している場合、絵柄が変わることも考えられます。線路あたりはまあいいとして、可変線幅は特に注意ですね。

↑パターンは大丈夫そう。間違い探しはサイゼリヤより簡単



どうしても寸法通りにしたい場合は、少し大きめに切り取ってマスクするか、絵柄の変更が気になる場合はパスのアウトラインやアピアランスの分割をしてから適用しましょう。


↑アピアランス分割やパスのアウトラインをかけておけば絵柄通りに切り抜ける



製品のラインナップにはフル版とライト版がありますが、フル版はオブジェクト形状が自由で、切り抜くのをオブジェクトの内側か外側を選択でき、さらには画像の切り取りもできるそう。


フル版は地図に限らずオブジェクトの加工に重宝しそうです。パスファインダーで個別に切り抜いてゆけば同じことが出来そうですが、省力、正確さ、時短に対して有料プラグインの価値があるのです。


私、対応バージョンの問題と価格でかなり悩んだ挙げ句、ライト版の方を買ってしまいました(実は買ったばかりでまだ実戦投入してません^^)。なので地図くらいしか使い道ない…。にしてもフル版は汎用性高そうだなー。いいなー。


これ、技術的に惚れました。こういう機能こそIllustratorに標準搭載してほしいですね。


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