ブレンド、使っていますか? ブラシや効果と同様に面白いツールなのですが、あまり使い込んでいる方は見受けられませんね。
私も以前検証しましたが、なかなか奥が深くてメカニズムの解析まで至っておりません。というか、投げっぱなしだったので回収しに来ました。
まずわかっているところまでおさらい。
●ブレンドの方法
2点以上のオブジェクトを選択して「ブレンドを作成」するだけで自動でブレンドできます。
↑コマンド一発でOK
●ブレンドのルール
オブジェクトは3つ以上あってもオブジェクト階層の下から上へに連結します。
ブレンドツールを使えば、クリックした順にブレンドされます。ブレンドツールはオブジェクトの一部をクリックするだけでOKです。
↑しばらく知らずにアンカー同士をクリックしてましたよ
任意のアンカー同士をクリックすれば、ブレンドの基準位置を指定できます。
↑位置を決めたい場合は基準となるポイント同士をクリック
●自動ブレンドの基準
自動のブレンドの基準位置は、パスの種類によって変わります。
クローズドパスでは、形状をねじ曲げないようにブレンドします。この辺がいまいち掴めなくて、まあそういうアルゴリズムということなのでしょう、でいいかなと諦めています。^^
オープンパスでは原則は始点・終点同士となるようですが、座標によって変わるケースも出ています。オブジェクト単体のブレンドの場合、ブレンドツールで基準位置を指定した方が確実です。
参考過去記事:ブレンドの検証
参考過去記事:ブレンドの検証(続き)
●グループのブレンド
グループはグループ同士でブレンドされます。グループ内のオブジェクトは上下関係をもとに作成されます。グループ内のオブジェクトは下の階層のオブジェクト同士から(コレ重要)、数の合わないものは消滅する形でブレンドされます。
参考過去記事:グループのブレンド
↑階層の下からブレンドされるので、数が合わなかったり階層が違うと破綻します
と、ここまでが以前までの検証を元に出た結果です。
そして、もう少し踏み込んでみました。
●グループ内グループ
ブレンドは1オブジェクト又は1グループが1単位となります。グループ内のグループも同様となり、下から数えて同階層のグループ同士でブレンドは完結します。
↑グループAはBへブレンド、グループ内のグループは階層の下のものからブレンドされる
●グループ内グループの応用
これを知っておくと、複数オブジェクトのブレンドを制御できます。例えば、片方は眉毛があり、片方は眉毛がない2つの顔をブレンドするとしましょう。
これを一つのグループとしてブレンドすると、下のオブジェクトからブレンドしていくので眉毛が違う部位にブレンドされて破綻しまいます。
↑グループを使えば数があわないものも制御可能です
しかし、始点側を下から髪下、顔、髪上、眉毛と4グループをグループ化、終点側は眉毛のない3グループをグループ化すると、同じグループ階層同士でブレンドされ、眉毛に対応するグループはないので無くなっていきます。
この辺を極めるとおもしろいことができそうですね。
●塗りなしの扱い
「塗りなし」の中間オブジェクトは始点側の色が入ります。
透明度はブレンドされますが、同グループ内での抜きになります。ただし、ブレンドとグループを解除すると個別の効果に変換されます。
●効果(アピアランス)のブレンド
効果類も前述の透明度と同様にブレンドされます。
●グラデーションのブレンド
グラデーションもブレンドされます。これは使い道あるかも。ただし円形グラデと線形グラデはムリです(数値はブレンドされる)。
マスクのブレンド
マスクの中間オブジェクトはマスクが外れた状態でブレンドされます。これはちょっとイタイかも。
可変線幅のブレンド
可変線幅は、同色、同プロファイル、同じ太さのものに関しては中間オブジェクトが生成されます。
しかし、それ以外は中間オブジェクトは均等のプロファイルに変わります。
検証中に化けて均等プロファイルから戻らないこともあったので、安定性はハテナマークと思っておきましょう。
ブラシのブレンド
ブラシは、同じブラシの場合中間オブジェクトは生成されますが、違う場合中間オブジェクトは終点側のブラシが適用されます。
シンボルのブレンド
シンボル同士も普通にブレンドが可能です。
さて、なぜブレンドの解析がしたいのか。グループブレンドでは任意のポイント同士を連結できません。となると、アルゴリズムに沿った形でオブジェクトを配置しなければ思い通りのブレンドを作れません。
中間オブジェクトは自動生成されるので、生成のされ方をうまく制御できれば、何かのときに役に立つかもしれません。
※CS5Mac版での検証です。バージョンによっては多少の差異があると思われます。ご注意を。
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ブレンドのひみつ
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