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Illustrator3Dでイラストを描く8

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↑ヘリとんぼと竹コップだー。




さて、マッピングの続きです。

・マッピングのサイズ
マッピングサイズはオブジェクトサイズと1対1なので、寸法が分かっている場合は実寸で作る、もしくは縦横比は合わせておくと便利です。縦横比さえ合っていればサイズが変わってもフィットさせるだけです。

↑直径100mmの球体のマッピング寸法は2πr×πrのはず


↑ほら、ぴったり


曲面はサイズを計算ではじき出すのは難しいので、正確なマッピングが必要な場合は、キャプチャして合わせるという荒技もあります。まあ、3D機能はおまけなのでこのへんはあきらめましょう^^


・拡大縮小とマッピング
オブジェクトの拡大縮小には注意が必要です。「線幅と効果も拡大縮小」にチェックが入っていればマッピングも拡縮されますが、入っていないとマッピングは拡縮されません。拡縮の際は注意しましょう。

チェックなしの場合や拡縮でなく単に延ばしたり縮めたりした場合、マッピングは中心に留まります。マッピングがはみ出たり足りなくなったりしますので、注意しましょう。

↑これを拡大すると…。




↑あべしっ!



また、オブジェクトのサイズを変更しても元のシンボルサイズは変わりません。マッピングを実寸で作ったものや目見当で貼ったものを拡縮した場合、貼り直しは大変です。

↑やっつけなんで目見当だったよー。拡大したら同じ位置に貼り直せないよ-



・不透明度0%オブジェクト
はむこさんがくるくるリボンのマッピングで使っていた技です。はむこさんは何気なく使っていましたが、超絶使える技なのでご紹介させていただきます。

マッピング用のシンボルもオブジェクト同様、塗りのないものは認識しません。また、アピアランスもオブジェクト本来のサイズを認識してしまい、フィットさせるとずれてしまいます。

そこで、不透明度0%のオブジェクトを使うことで任意のサイズでマッピングデータを作ることが可能です。

↑こっちはシンボル単体。基準がないので位置合わせが大変



↑下に透明オブジェクトを敷いた。マッピングサイズを固定できる超便利技




・極座標
さて、マッピングの新兵器「極座標」の登場です。回転体の極側にマッピングするのは標準機能だけでは非常に困難です。そこでajabonさんに教えてもらったPhotoshopの「極座標フィルタ」を使う技をご紹介します。

回転体のマッピングの特徴ですが、赤道側に近ければそれほど歪みませんが、極側に近づくにつれて収縮するので、極付近にある絵柄は通常のままでは破綻してしまいます。とくに、極を跨ぐ複雑な絵柄については手動での作成はほぼ不可能でしょう。

↑©SEGA これは失敗例。極をまたぐマッピングは難しい


そこでPhotoshopの極座標フィルタを使います。
極座標フィルタは平面を極に、極を平面にできるものです。

ここでは極の真上見た図を作成してPhotoshopへ持って行き、フィルタをかけて平面変換し、シンボル化してマッピングするという方法をとります。

まず、極(上面)から見たとおりのデータを作成し、90度反時計回りに回転しておきます。


↑回転しておくと、フィルタをかけた後元通りになる

Photoshopへコピペ、ベクトルスマートオブジェクトとして開きます。

↑劣化を防ぐためスマートオブジェクトで開く



極座標は平面状態のものなので、球体の場合は一度球面フィルタでマイナス値(完全な半球体なら-100)をかけてから実行すれば大丈夫なようです。

↑マッピングする球体は凸なのであらかじめ凹ましておく



極座標フィルタを実行し、解像度が低いようなら上げておきます。


↑極座標を直交座標に


あとはIllustratorへドラッグし、ライブトレースをかけて拡張加工、シンボル化してマッピング(端折った!)という手順でよろしいかと思います。できればCS6以降の画像トレースが望ましいです。

↑ほらできた。もう極座標はこわくない



↑でれれれっでれっでっでれー、ああ、周りの鈴みたいなの上下反対に貼っちまったぁ! 3DSにPS Storeでも販売だとぉ。偶然ながらステマに貢献中。いいの、ファンだから。


フィルタは半球ごとなので、マッピングが1面の球体の場合北半球と南半球は別別に作成し、統合してシンボル化します。


マッピングは難しいようで、本当に難しい。
でも、使いこなせれば作れるデータが格段に増えるはずです。

ドキュメント上でマッピングとかできたらこんな苦労はしないんだけどなー。





先日、Twitterでアンチエイリアスが汚いとのご指摘がありました。私は最初ラスタライズ解像度のことと勘違いしたのですが、どうやら画面表示のことだったようです(なにぶん深夜でしたので^^)。


右がスクリーンショット、左はラスタライズをかけたものです。確かに右は汚いですね。これは演算処理を軽くするためアンチエイリアスを犠牲にしているのだと思われます。

ただし、これは表示だけでデータに問題はありません。マッピングがベクトルデータの場合、表示は汚くても出力時には綺麗になります。

ただし、グラデやラスター効果を使用している場合は、ドキュメントのラスタライズ解像度に依存するので、書き出しや出力をしても汚いことがあります。












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