ハッピーハロウィ…、はあ、もう11月ですか。
しばらくぶりの更新です。
普段InDesignを使わない人は、いくら「InDesign便利ですよ」と言われても乗り換えは簡単にいきませんよね。かくいう私も(強制的に)QXを経由しなければ、Design抱き合わせパックでマシンにインストールされていても、自主的にはInDesignを使うことはなく、手慣れたIllustratorで作業していたことでしょう。
でも、両方使えるようになれば資産も無駄にならず、その時の内容と気分で好きな方で作業が出来、クライアントからの要望にも幅広く応えられますね。覚えておいて損はありません。また、アクロバティックですが、Illustratorでは作るのが大変なものでも、InDesignでサクッと作成してパーツにすることも可能です。
まずは例のデータをIllustratorで普段通りに作ってみます。そしてInDesignで同じデータを作る際に、どのように違うのか比較してみます。
判型はA4で画像を6点貼り込み、各キャプション、タイトルと帯が入るペラもの。テキスト、画像支給。指定の方に描き忘れましたが、各画像は90×57.5mmで配置します。
↑適当な指定紙
↑画像はデジカメjpg6点、とりあえず配置まで
↑テキスト支給。プリントアウトでは無くデータ支給
ペラ、段組み無し。なんかIllustrator有利な気がしませんか?
時間がありあまっている方は、指定に対し新規書類からどのようにデータを作成するか考えてみてください。そして実際に作成してみてどのくらいでできるか試してみてください。
実践での作業比較1
実践での作業比較2
●Illustratorの場合
↑完成見本
ここはあえて古くからの伝統ある(?)方法で作業します。もっと効率良いやり方はありますが今回はスルーします(後でフォロー予定)。作業はCS5で行っています。
1. 書類の作成~マージン設定
まずは新規書類を大きめのサイズで作成します。
適当なところにA4の長方形を作成し、線をなしにしてトリムマーク作成、パスのオフセットを3mmにして裁ち落としを確保し、Y100に塗ります。
次にマージン用に、A4フレームをパスのオフセットで-10mm、できたオブジェクトとA4フレームを困+5でガイド化します。
ルーラを表示し、座標の原点を定めます。
※他所がどのように作っていたのかわかりませんので個人的な見解です。
Illustratorはスマートガイドとスナップでオブジェクトをガイドに吸着でき、パスは簡単にガイド化できます。また、以前はアートボードの座標が原点が左下だったこともあり、原点を移動して絶対座標で作業するよりも、天から10mmなどの相対座標でページメイクするケースも多かったのではないでしょうか。私はCS5乗り換え前はほぼそうしていました。
2. タイトルの作成
気を取り直して行きましょう。タイトルテキストをコピペして100Qにします。変形パネルでx軸センターを210÷2=105mm、y軸上を10mmにします。ここも相対座標を使うなら、整列を使って整えます。
3. 画像フレームとキャプション~複製
画像用のフレームを90×57.5mmで作成し、x10、y40に配置します。オプション+ドラッグで下に複製してキャプション用のテキストフレームに変換します。キャプションの天地サイズは13Q(3.25mm)+20H(5mm)=8.25mmなので、書式>エリア文字オプションから高さ8.25mmとします。
整列でキャプション用のテキストフレームを画像フレームから1.5mmあけます。
右への複製ですが、フレームが90mmアキが10mmなので、水平方向に100mmコピーします。
ちなみにオプション+エンターで複製移動というルールはCS6から効かなくなりました(怒)。
下への複製はテキストが13Q+20H、マージン1.5mmで、えっと9.75mm、画像が57.5mmなので、えっとえっと、57.5+9.75+10で、垂直方向に77.25mmコピー&繰り返しっと。
4. 帯部分作成
最後に帯用のフレームw190×h15で作ってC100にします。テキストフレームを作成し、w190×h30Q(7.5mm)にし、テキストを流し込んで30Q白にして、整列で天地左右センターに合わせます。
ここはポイントですが、Illustratorはフォントの天地サイズの認識はフォントごとに異なります。このまま整列でセンターに配置してもほとんどの場合センターにはきません。そこでフレームに入れてサイズを指定することで、整列で正確にセンターに入れることが出来ます。ただし、環境設定のプレビュー境界を使用にチェックが入っていると、フレームをフォントサイズに指定してもフォントのサイズを認識してしまいます。
下の例は100Q(25mm)の比較です。
↑新ゴR、天地27mm
↑カモレモンDB、天地25.8mm
↑フレームの天地を25mm
↑フォントによってのサイズ誤差は出ない
5. 流し込み(画像)
これでフォーマットは完成です。
では画像を入れ込んでいきましょう。
まず配置コマンドで画像を1点取り込みます。
↑配置は1点ずつ。CCではコマンドから複数配置できるようになりました(が、あまり意味ない。理由は後述)
縦横比保持で左右90mmに縮小して、整列で画像フレームのセンターに合わせます。背面に送りクリッピングマスク、という作業を残り5点も同様に行います。
↑生データなのでムダにデカイ
↑サイズと位置を整えて1点ずつマスク作業
6. 流し込み(テキスト)
最後にキャプションを残りの5箇所、テキストエディタからコピペで流し込んで完成です。
で、完成。
こんな感じでよろしいでしょうか。だめぇ?
※文中では「テキストフレーム」と表記していますが、正式には「テキストエリア」です。
最後に、一連の作業を動画で。
↑2倍速にしています。実際は寸法を見ながら作成するのでもっと時間はかかりますよ
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実践での作業比較3
●InDesignの場合
↑完成見本。フォントは環境によって異なるのでIllustrator、InDesignともデフォルトにしています
1. 書類の作成~マージン設定
新規でA4書類を開き、裁ち落としを3mm、マージンは一律10mmに設定します。
この「マージン」はIllustratorのガイドとは違い、後に重要な意味を持ちます。
背景フレームを作成します。こちらは長方形ツールでドラッグして作成しました。Illustratorよりもガイドへのスナップがイイ感じです。
また、InDesignにはコントロールパネルの最初のフィールドにフォーカスさせる機能があり、それをショートカットに設定すれば、適当な位置に長方形を作って【設定したショートカット】→【-3】→【tab】→【-3】→【tab】→【216】→【303】と入力するだけで背景フレームは所定の位置に作成されます。こちらのほうがより確実でスマートです。
↑私はQXでおなじみ、困+叩+Mにしています
↑【困+叩+M】→【-3】→【tab】→【-3】→【tab】→【216】→【303】だけでガイドに合わせてドラッグしたのと同じになる
2. タイトルの作成
タイトル用のテキストフレームは適当に横長で作り、テキストは左右センター揃えにします。
ここでポイント。InDesignではオブジェクトを簡単にマージンに揃えることができます。ショートカット化すれば、キーコマンド1つでテキストフレームを上マージンに移動できるので、慎重にガイドに合わせて作成する必要はありません。
↑いろいろな揃えが設定できます。矢印併用がおすすめ
3. 画像フレームとキャプション~複製
本来ここはIllustratorの時と同じように作業するところですが、InDesignの特権を使います。画像フレームをx10、y40mmの位置に90×57.5mmで作成します。次に適当な大きさのテキストフレームを作成してキャプションのダミーを入れて属性を13Q↓20Hに整えます。
特権とは市川せうぞーさん作のスクリプト「snap_caption(間隔を1.5mm設定済み)」です。このような素晴らしい補助プログラムが無償配布されているのはほんとうに有難いことですね。感謝感謝。
画像フレームとテキストフレームを選択して実行すると、自動的に画像と同じ幅にして画像フレームとのアキを1.5mmにしてくれます。あとはフレームを「フレームを内容に合わせる」でフィットさせるだけでフレームはキッチリのサイズになります。
画像フレームとキャプションをグループ化して右へ複製。こちらは適当にドラッグ複製して、右マージン揃えショートカットで右マージンへ吹っ飛ばします。
さらに2つをグループ化して適当に下へドラッグ複製、コマンドDで複製して、間隔を10mmで整列します。テキストフレームをキッチリしたサイズにしてあるので、間隔整列のコマンドを安心してかけられます。
4. 帯部分作成
帯部分はテキストを流し込み30Q左右センター揃えにします。オプションからテキストの配置を中央にして、テキストフレームをC100で塗ります。
↑オブジェクトは1個で済みます
5. 流し込み(画像)
画像の取り込む前に画像フレームに調整オプションを設定します。座標をセンター、「フレームに均等に流し込む」にしておくと、取り込んだ画像が自動的に縮小トリミングされます。本来コレはフレームを複製する前にやるべきことですが、InDesignでは後からの変更もカンタンにできます。まとめて選択して適用するだけです。このときテキストフレームは無視されるので、キャプションのフレームをいっしょに選択してもかまいません。
画像配置は配置コマンドから複数選択できるので、まとめて選択してから空の画像フレーム上を順番にクリックしていくだけで画像配置が完了します。
↑画像フレーム上でクリックしていくだけ。6点の画像が数秒で流し込めます
6. 流し込み(テキスト)
本来テキストの流し込みはIllustrator同様です。しかし、ここはajabonさん作のPOT(ajabonさんのサイトはこちら)を使って瞬殺します。(すみません、これPOT2.0入れてないバージョンでした^^)
↑これで流し込みは瞬殺
こちらも動画を貼っておきます。
↑2倍速です。Illustratorの半分の時間で済みました
さて、2つのアプリケーションで同じものを作成しましたが、比較するとやはりIllustratorは手間がかかります。私は整列やコピペなどはQuickyesでショートカット化してあるので煩わしさは半減していますが、標準機能で作業をしたらさらに時間と手間がかかることでしょう。
一方InDesignはアプリ側が補助してくれる機能が多く、大ざっぱに作業してもキッチリ仕上がるといった感じです。2つの外部スクリプトを使用していますが、テーマは「実務に沿った」ですので、問題ないですよね。
次回は詳細の解説をいたします。
実践での作業比較4
●比較の解説
1. 書類の作成~マージン設定
2つの例では、ページに対する概念が全く違います。
・Illustrator
Illustratorはあえて古いやり方の、大きめアートボードにトリムマークをつける方法で作業しました。判型、裁ち落とし、トリムマーク、マージンなどはツールで作成しており、大きな台紙の上にトンボを作ってレイアウトを組むというアナログと同じ作成方法、考え方です。
・InDesign
対してInDesignは作成時にサイズやマージンを指定するので、アプリケーションが判型、裁ち落とし、マージンを認識しています。
★InDesignのメリット~ページサイズ
InDesignではドキュメントサイズ=判型が一般的です。裁ち落としやマージンはアプリケーションが管理するので例えば判型の変更があった場合、InDesignではダイアログから数値を変更するだけですが、Illustratorは判型、裁ち落とし、マージン全て修正しなければなりません。
ここは反論があると思います。Illustratorでも現在はアートボード=ページとするのが主流になりつつあります。座標もInDesignと同じ左上になり、トリムマークもプリント設定で付けることができるので、考え方はページレイアウトソフトと同じです。ただし、残念ながら版面の概念はありません。
また、出力時の保存形式(eps、ai、PDF互換チェック)やeps時のアートボード外のオブジェクトや複数アートボード、読み込み形式(アートやバウンディングの選択)などきちんと理解して作らなければ後工程に影響がでるので、InDesignほど単純ではありません。
2. タイトルの作成
ここでのポイントはマージンの概念です。
・Illustrator
Illustratorはガイド=目安で、マージン揃えはドラッグしてガイドに吸着させるという動作が必要です。入り組んだ状態では慎重にドラッグしなければなりません。また、今回のようにポイントテキストはアンカー以外スナップできないので、座標指定か整列を使うしかありません。
・InDesign
一方InDesignはマージンに対する揃えのコマンドが多数用意されています。これにより座標を気にすること無くオブジェクトを作成しても、後から簡単にマージンに揃えることができます。
★InDesignのメリット~版面の認識
マージンをアプリケーションで管理するので、版面という概念があります。ノドと小口が違う書籍でもマージン内=版面のセンター揃えなど、数値を確認しなくても簡単に揃えられます。レイアウト作業では版面の揃えは多用するのでマージンの認識と揃えコマンドは強力です。
3. 画像フレームとキャプション~複製
ここのポイントはテキストフレームとフォントサイズです。
・Illustrator
といいつつIllustratorのフォントの認識は前に説明してしまいましたね。
Illustratorではキャプション用のテキストフレームは計算して内容に合わせました。ちなみに最新のCCで搭載されたテキストエリアへの変換でもフレームはフォントのサイズ(20Qなら5mm)にはならず、整列やスナップを行うには計算は不可欠です。
また、テキストフレームは選択ツールで選択してしまうと中のテキストも変形してしまいます。ダイレクト選択ツールでフレームのみ選択するか、エリア内文字オプションを使わなければならないのも煩わしい点です。
・InDesign
一方InDesignは「フレームを内容に合わせる」でフィットさせるだけでフォントサイズにキッチリと揃います。
フレームを変形しても内容は変形しません。これは場合によっては不便に思えるかもしれませんが、w/hとxy拡大/縮小のフィールドが分かれており、フレームを変形する場合はw/hに、内容ごと変形させる場合はxy拡大/縮小フィールドに単位込みで入力と、どちらでも出来るようになっています。
また、画像とキャプションの間隔は、Illustratorでは整列を使いましたが、通常はInDesignも同じ操作です。しかしここでは無償配布されているスクリプトを使って大幅に手間を省いています。このように、有用なスクリプトが多く配布されている点にも注目しましょう(IllustratorはIllustratorで便利なスクリプトやアプリが配布されていますけどね)。
★InDesignのメリット~フレームのフィット
「フレームを内容に合わせる」は余ったフレームをピッタリ揃えてくれるだけでなく、あふれ文字にも有効です。Illustratorでテキストフレームを整えた場合、リフローした行を表示するには行送り分を計算しなければなりません。一方InDesignはフィットさせるだけでペロッとあふれ文字も表示します。フィットはよく使うのでショートカット登録をオススメします。
4. 帯部分作成
ここでのポイントはテキストフレームのオプションです。
・Illustrator
実はここでもIllustratorのフォントサイズの認識に悩まされています。整列でセンターに来ないのは致命的ですね(といいつつ実務であまり気にしないこともあったりするのはナイショ)。そのためにひと手間増えてしまっています。
また、Illustratorのテキストフレームも色を塗れますが、フレーム内でテキスト位置の調整はできないので(※)、帯とテキストの2オブジェクトに分けています。スマートではありませんが、修正を考えるとこれが妥当な線でしょう。
(※厳密に言えば位置の調整は可能です。エリア内文字オプションで外枠からの間隔を入れたり、ベースラインシフトで移動したり。ただし計算が必要であり、サイズ変更などの修正にも手間がかかります)
・InDesign
一方InDesignはフレーム内でのテキスト位置はフレームの中心や下揃えに出来るので、一つのオブジェクトで帯が作成できます。移動時に置き忘れることはなく、帯サイズ、フォントサイズどちらに修正があってもテキストは自動でセンターに追従します。
★InDesignのメリット~テキストフレームオプション
Illustratorのエリア内文字オプションに匹敵する機能ですが、内容は大きく異なります。フレーム内のマージンを独立して指定することもできます。特にフレーム内での天地中央揃えは前述の通り、作成、修正共に作業を簡素化できる大きなメリットです。
ところで、Illustratorでエリア文字内オプションを使っている人はどれだけいるのでしょうか。
5. 流し込み(画像)
この画像配置の利便性が最大の相違点でしょう。
・Illustrator
そもそもIllustratorには画像フレームというものは存在しません。クリッピングマスクに画像を入れているだけなので、マスクのサイズに合わせたり中央に揃えるのはすべて手動です。
複製画像配置はIllustratorCCで対応しましたが、画像フレームの概念が無いので複数取り込めてもそこらへんに置くだけであまり意味がありません。せめてクリックした画像と差し替えるくらいのオプションでもあれば使えるのですが…。
古いIllustratorでもFinderからドラッグ&ドロップで複数配置できますので、いちちいクリックしない分そちらの方が手っ取り早いのではないでしょうか。
ここはフォーマット作成時にダミー画像をマスクしてから複製すると、今回のように同比率の画像の場合は配置の手間を省くことが可能です。
・InDesign
一方InDesignの複数の取り込みやワンクリックでの配置、フレームオプションでの自動サイズ調整など、利便性はIllustratorの比ではありません。Illustratorでは1点の配置、縮小、センター揃え、マスクで30秒かかりましたが、InDesignなら1秒かかりません。
★InDesignのメリット~フレーム調整オプションと複数配置
フレーム調整オプションは、予めフレームに位置やトリミング方法を指定しておけるので、配置するだけで自動で拡大縮小トリミングが完了します。また、複数配置も画像フレーム上をクリックするだけなので、100点あっても100クリックだけで配置を完了できます。
6. 流し込み(テキスト)
テキストの流し込みは通常操作では双方あまり変わりありません。
・InDesign
InDesignには強力な流し込みスクリプトがあるので、時間と手間を大幅に節約しています。さきほども言いましたが、作業を補助してくれる便利なスクリプトが配布されているのも強みです(POTは有償ですが、とても良心的な価格です)。
★InDesignのメリット~スクリプトの利便性
ショートカット化、フォルダに入れれば即座に反映、スクリプトパネルあり、とスクリプトが使いやすい環境が整っています。Illustrator標準でスクリプトは使えますが、メニューから選択するしかありません。ただ、Mac専用の「ScriptKeyAi」があれば、Illustratorの方が強力になりますけど。まあ、標準機能でできるInDesignすげーってことで。
●まとめ
この比較からわかるようにIllustratorは「ページレイアウトを作る」ということはあまり考慮されていません。位置づけとしてはパーツ作成ソフトなので、クリップアートを作るには不便はしないでしょう。しかし、いざ数値の決まったレイアウトを作ろうとすると出来なくは無いけど手間がかかります。
Illustratorしか使っていない場合はそれが当たり前なので不便を感じないかもしれませんが、実際はIllustratorの貧弱な機能のせいで余計な作業をしているケースもあるのです。
InDesignはページレイアウトをする上で必要なツールや、作業の補助をしてくれる機能がふんだんに盛り込まれています。ページものや段組みでなくても、InDesignは作りやすいことがおわかりいただけたでしょうか。
とはいっても装飾バリバリのデザインは苦手です。Illustratorのアピアランス、グラフィックスタイルほどの機能はないので、あくまでも「おとなしい」レイアウトに限りますが…。
あとは「慣れ」でしょうか。Illustrator基準で作業すると、最初はInDesignのクセに悩まされます。例えば画像フレームの移動や変形する際に、フレームと中身がごっちゃになったりしますよね。
UIが似ているから尚更なのかもしれません。使っているうちになんとなくルールがわかってくるものですが、最初はとっつきにくいことでしょう。それでもQXに比べれば遙かにラクではありますが。^^
また、機能が多過ぎます。こんなに覚えきれるかっ! と常々思っております。まあ、タマがいっぱいある分には、後々苦しくなることはないということでしょう。ここはプラス思考で。^^
まずはよく使う機能から身につけてゆきましょう。さあ、レッツトライ!
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画像加工にAfterEffectsのすすめ
最初に断っておきますが、半分ネタです。^^
さて、皆さんはPhotoshopの標準フィルタって使っていますか?
私は普段あまり使わないからかもしれませんが、たまーにエフェクトをかけようとしてイラッとすることがあります。
例えば、上の画像にエフェクトを追加するとします。
まず、逆光(いや、使わないけどね^^)。
なぜに小さなサムネイル上で光源を設定しないといけないのか。
↑これ原寸。ライトの中心にしたいのに微調整はムリ
↑微妙な調整はできないけどしかたない
そして「ぼかし(放射状)」。
これのズームって、ちょっとしたところで使いそうなものですが、サムネイルは画像でないどころかワイヤーフレーム! しかも正方形。変形の比率をふまえて中心を設定するってどんだけすごい人よ?
↑あちゃー、プレートの中心にしようと思ったのに、さすがに一発ではムリでしょ
まあ、パワーのないマシンではズームブラーのリアルタイムプレビューなど夢のまた夢、って何十年前から据え置きだっ。
また、エフェクト系プラグインはレイヤー効果&スタイル搭載のせいか、今はほとんどありません。KPTとかEyeCandyとか、あの手軽さが良かったのに…。
そこで、Adobe CCを契約している人は、抱き合わせになっているAfterEffectsを使ってみましょう(抱き合わせとか言っちゃいましたが、AfterEffectsは単品で買うと10万以上する、映像のプロが現場で使う高度なソフトでPhotoshopより格上です)。デザイン系では入れていない人も多いと思いますが、ぜひとも1度使ってみましょう。ちなみに作例はCS5.5でやってます。個人的にはCC持ってないんで。^^
あれって動画編集用のソフトでしょ、と思うかもしれませんが、動画も1フレームだけなら静止画です。AfterEffectsはその名の通り、「画像に後から効果を追加できるソフト」と考えましょう。大(動画)は小(静止画)を兼ねる。^^
操作はAfterEffects起動後に、コマンド+Iでファイルを読み込みます。
レイヤー付きだとめんどうなので、今回はレイヤーなしの1枚画ってことにしてください。
プロジェクトに画像が表示されるので、タイムラインにドラッグします。
すると自動的に画像と同じ画素数のコンポジションが生成されます。
fpsなどは設定する必要なし。今回は静止画ですから、細かいことは気にしなくて大丈夫。
レイヤーを選択して、エフェクト>描画>レンズフレアでエフェクトをかけます。
光源の位置は画面上でドラッグして制御できます。
↑手軽に正確に位置合わせできて満足^^
エフェクトパネルの光源ボタンをクリックすればXY座標にガイドが表示され、正確に合わせられます。
↑画面上で設定できるだけでも便利なのにガイドまで。至れり尽くせり
数値で管理する場合は、UIの数字の上でマウスを左右にドラッグで数値の変更ができますし、ワンクリックすると数値入力に切り替わるというUI設計。エフェクトパネル上でも、タイムライン上でも好きな方で管理できます。エフェクト自体はPhotoshopと同じなのに遙かに使いやすいです。
また有料のOptical Flaresというエフェクトを追加すると、光源からフレアの向き、レンズの汚れまでシミュレートできるレンズフレアを再現できます。VideoCopilot製のプラグインは安価でありながら、使いやすく実用性もある超優れものです。ちなみに12/4までFlashbackさんで割引きセールやってます。
次にズームブラー。
ブラー&シャープ>ブラー(放射状)がぼかし(放射状)と同じです。
Photoshopと同じようにワイヤーフレームのサムネイルが現れましたが、こちらもレンズフレア同様に画面上で中心をドラッグして移動したり、数字上をドラッグして数値を変更、画像はリアルタイムでプレビューされます。
↑まあ、同じメーカーですからね
↑でも、使い勝手は全然違う、全然ちがーうーよー
同じメーカーで同じフィルタを使うのにこの違いはどうでしょう。UIがいかに大切かを思い知らされる比較ですね。新機能のアピールもいいですが、そろそろ古くさいシステム(失礼)に手を入れてはどうでしょう、Adobeさん。
AfterEffectsには他にも沢山のエフェクトが標準で用意されています。動画専用も多くありますが、稲妻やビームなど、Photoshopにあっても良さそうなものも数多くあります。パラメータなどは、一見わかりにくいですが、よく見るとわかりやすくまとめられています。これ、使わないのはもったいないですよ。
Photoshop CS5で搭載されたパペットツールも、AfterEffects CS3からの移植ですし。
AfterEffectsはデータを直接加工するのではなく、Photoshopでいうスマートレイヤーのように元を非破壊で加工します(元データはリンクのような扱い)。なので、エフェクトの追加や削除が手軽にできます。
さて、ネタ止まりなのは画像としての運用性の低さに起因します。
IllustratorやInDesignにネイティブファイルは貼れませんし、構造上Photoshopと完全互換はしません。エフェクトをかけた画像を確実に画像ファイルにするには統合した画像としてレンダリングする必要があります。そして、元データは一般的ではないAfterEffects書類として保存しておく必要があります。
それと、RGBだけなんです。印刷用途ではなかなか使いづらいですね。
とか言っていたら、公式に同様の記事を発見して動揺。こ、こちらはDTPが前提なので半分はネタであり、Adobeさんにチクッとやっているだけです。本気でお考えの方はそちらをご一読くだされー。^^
神速Illustrator、出まぁーす!
↑画像はイメージです
なぜ私がそんな大声で宣伝するかって?
著者陣が豪華でIllustrator時短ワザ多数収録ですから、こちらで取り上げてもよいだろうと。いや、それ以上の理由もあるのですが…。
とりあえず内容紹介と思ったけど、公式発表がまだなのでAmazonの紹介文を引用。
「時間短縮をテーマにしたIllustrator本。イラストをさくさく描く方法から、修正しやすいロゴの作り方、文字組みを効率化する方法まで、プロのノウハウが満載。手順の見直しでデザインの効率を上げる!」
で、著者陣のご紹介。
五十嵐華子=hamkoさん。
言わずと知れたアピアランスのスペシャリストであり、デザイナーであり、DTPerであるメルヘンイラストレーター。イベントやセミナーのスピーカーもされるすごい人。
『hamfactory』
尾花暁=あかつきさん。
勉強会の主催や訓練校の講師、イベントのスピーカーをされているDTP伝道師。10倍ラクするIllustrator仕事術、神速InDesignの著者でもあるすごい人。
あかつき@おばなのDTP稼業録
川端亜衣=カワココさん。
イラレラボの人。デザイナーでイラストレーターでIllustratorのスペシャリスト。講師、イベントやセミナーのスピーカーもされるすごい人。
イラレラボ
茄子川導彦=みっちーさん。
西のアピアランス魔神。効率的、実務的なTipsの考案されたり、イベントやセミナーのスピーカーもされるすごい人。
ADAM
ヤマダジュンヤさん。
フリーのグラフィックデザイナーで、Illustrator関係の著作も多数あるすごい人。
Webサイト
金山達矢=は?誰?。
キンサン? kinさん…、私だ。暇を持て余した神々の…
ということで、私kinも恥ずかしながら、豪華著作陣にまぎれて執筆させていただきました。詳しいことは公式発表があってからということで、とりあえず告知。
ご購入は右のAmazonリンクから^^(してくれるとうれしいなー)。
Illustratorで重ね文字
Illustratorでは文字に線(フチ)を付けて文字を詰めると、フチが重なった文字の上に出てしまいます。
↑これが理想ね
これはIllustratorの構造で、文字は1オブジェクトとして認識し、塗りの上に線が乗るという決まりがあるからです。上の理想のように、フチを1文字ずつ重ねることはできません。
↑こういうルールです
そんなのアピアランスで線を追加して背面に送れば? とお思いかもしれませんが、そうするとフチは文字全体の下に潜ってしまい、文字全体のフチになってしまいます。
↑アピアランスではこうなります
でもこれ、文字のアウトラインをとると、オブジェクトは1文字毎になるので見本のように重なります。やった、解決!と思いつつ素直に喜べない。本当はアウトラインしたくないんだよなーって時はありますね。
↑アウトラインを取ると1文字ずつになります。でも直し来るかも…
そこで、ウラワザを公開。えいっ。
ほら文字が生きているのにフチが重なっているでしょ。
どうやっているかとういうと、「パステキスト」です。
はい、改行できません。リフローします。扱いづらいです。なぜこうなるかも理由もわかりません。
でも解決です。そーいうものとあきらめて下さい。
え? 重ね順を反対に? できるわけ…、できた。
↑パステキストを180°回転して、文字を180°回転して、反対から打つ。まじ直せない…
けど後は責任持ちませんよ。直す人はボンバーマンで操作が上下左右反転するパネルを取った時くらい大変なので、できればやらないように。^^
ちなみにInDesignではどうなるか試してみました。フレームでもパステキストでも重なりません。
が、なぜか級数の違うものは重なります。どうやら書式の違うものにはフチが付くようです。こっちはこっちで不思議な現象ですね。
↑「円」だけ級下げしたら重なった。変な仕様…
InDesignではくれぐれもアウトラインは取らないように。
↑ダメ、ぜったい(Byせうぞーさん)
あ、「正攻法の重ね文字」はくいこみ用フォントならOpenTypeのオプションを使って重ねられます。これについてはあかねさんがわかりやすく紹介されています。
ちらしの値組数字を比較してみる。 - ちくちく日記
※実はこれ、神速Illustratorの検証中に発覚したワザです。他の執筆者様や神速InDesignの著者様にまでご迷惑をおかけいたしました。お騒がせして終わりでは勿体ないのでこちらで公開させていただきました。
2013.12.13追記
樋口先生のツイートをみて、アピアランスを使えば簡単にできることに気付きました。
普通に効果から「パスのアウトライン」を適用するだけで、アウトラインをとったのと同じ状態になります。もちろん、文字は生きたまま。
うーん、アピアランスの弱さが露呈。これはオールドタイプとニュータイプのようなものでしょうか^^ 私、おでこ光りません。
てか、これhamkoさんに教えてもらってました。フチが食い込まないとネタが破綻する恐れがあり、小パニック状態でアタマに入っていませんでした。ほんと、私って…。
アピアランスでこんなんできた。中の黄色とフチのマゼンダは、文字の中で色づけ。んで一番上にパスのアウトライン置くと重なるみたい。下に塗り+オフセットしたやつ重ねればフチ重ねもできるね。 http://t.co/h7jCbN68X3
— 樋⿴泰行 (@higuchidesign) 2013, 12月 12

意外と知らないグループ化1
複数のオブジェクトをひとまとめに出来る「グループ機能」、知らない&使ったことない人はいないことでしょう。ただこのグループには様々なルールがあり、「ひとまとめ」程度の理解で使っているとトラブルを引き起こす可能性があります。ここではそのルールを紹介します。
グループ絡みで想定されるトラブル
●最前面に送っているのに最前面に来ない
●いつのまにか前後関係が変わっている
●隠す/ロックしてたはずのオブジェクトが消えた
●グループしていたものがバラバラになってしまった
●知らぬまにアピアランスの形状が変わった
●知らぬまにアピアランスが消えた
●アピアランスがパネルから変更できない
などなど。みなさん、身に覚えがありませんか?
まずはIllustratorの基本構造である、オブジェクトの描画と階層についておさらいしておきましょう。

↑レイヤーの上が前面。重なると「1」が一番前にくる
2. 前面/背面ペーストは選択オブジェクトの直前/直後になるオブジェクトを選択した状態で前面背面ペーストをすると、選択オブジェクトの1つ前面か1つ背面にペーストされます。

↑「2」を選択し「4」を前面にペーストした。「2」の1つ前面にペーストされている
3. オブジェクトの複製は元オブジェクトの一つ前面に生成されるop+ドラッグや移動ダイアログコピーなどの複製は、元オブジェクトの1つ前面に生成されます。複数オブジェクトを選択している場合は、最前面のオブジェクトの1つ前面に複製されます(個々の前面ではない)。

↑「2」をop+ドラッグで複製した。「2」の1つ前面に複製されている
4. レイヤーには階層があるレイヤーには「ツリー型の階層」が存在します(レイヤーパネルを展開すると確認できます)。ver.8まではレイヤーを展開できなかったので、なんとなくそんな感じかなぁと思っていた人多いのではないでしょうか。

↑レイヤーパネルを展開するとサブレイヤーがツリー階層になっているのがわかる
5. 前面へ/背面へは、選択したオブジェクトのある階層のみ移動可能「前面/背面へ」コマンドは、選択しているオブジェクトの階層のみ移動が可能です。ツリー型の上位下位階層へは移動できません。

↑「5」を最前面に送っても同一階層の最前面までしか移動しない。
いろいろ調べてみるとかなり大がかりな記事になりそうな予感。一気に載せると混乱してしまいそう(&まとめきれてない)なので、小出しにしてゆきます。とりあえず今回はここまで。
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意外と知らないグループ化2
次はグループのルールです。
●グループ化するとサブレイヤーにまとめられる
オブジェクトをグループ化すると、<グループ>というサブレイヤーにまとめられます。このとき最前面のオブジェクト階層にサブレイヤーが作成され、他のオブジェクトはサブレイヤーに収められます。
↑<グループ>というサブレイヤーが生成され、オブジェクトはその中にまとめられる
●レイヤーをまたいでグループにできない
別レイヤーにあるものをグループ化すると同一レイヤーに統合されます。一部のオブジェクトのみ別レイヤーということはできません。
↑これをグループ化すると
↑1つのレイヤーにまとめられる
●グループは入れ子にできる
グループ化したオブジェクトを更にグループ化すると、グループの中にグループができ、ツリー型に枝分かれしてゆきます。
↑「1」と「3」をグループ後、「2」もグループ。同列のグループでなく、(「1」「3」)+「2」と2段階になっている。応用で入れ子の入れ子なども可能
●1オブジェクトでもグループ化できる
グループは複数オブジェクトに限らず、オブジェクト1つでもグループ化が可能です。
↑1オブジェクトで別のアピアランスを適用するなど、アピアランスではメリットがある。しかし、オブジェクトとグループのどちらに適用されているかわかりづらいというデメリットもある
●グループを「選択ツール」で選択すると、グループ全体が選択される
選択ツール(黒矢印)での選択は、選択範囲を含むオブジェクトの一番上の階層のグループ全体を選択します。このとき、グループ内で一部「隠す」や「ロック」したオブジェクトも選択されます。
↑入れ子でも一番上のグループを選択する
●ダイレクト選択ツール+op+クリックする度に一階層ずつ上のグループを選択していく
ダイレクト選択ツール(白矢印)でoptionを押しながらクリックする度に、上位改装のグループを選択してゆきます。
↑選択する度に上位階層へ上がる
●グループ解除は最上位の階層から解除される
最上位の階層のグループから解除されてゆきます。複数グループ選択時も選択中グループ全ての上位階層から解除されます。
↑一番上の<グループ>から解除される。選択中の同一階層に2つのグループがあれば両方とも解除される
●グループには効果をかけることができる
効果はオブジェクト単位だけでなくグループ単位でもかけられるので、複数のオブジェクトに対してまとめて効果をかけることができます。
↑<グループ>の右の●がグレーになっている場合、グループに対して効果がかかっている
●グループ効果はグループを解除すると消滅する
グループに対してかけた効果は、グループ解除すると消滅してしまいます。再グループ化しても戻りません。
↑覆水盆に返らず。一度解除したらコマンドZ以外では戻りません
●グループ内のオブジェクトはグループ内しか移動できない
「前面へ/背面へ」で移動しても移動範囲はグループ内に制限されます。グループ外へ移動したオブジェクトはグループから外れます。
↑「3」はグループの中のみ移動可。同一グループである「2」の前背面には移動できる
↑グループを超えるとグループ効果は消える。わかりにくいけど「3」にワープ効果は適用されていない
●グループの間に別グループのオブジェクトは挟めない
グループオブジェクトの間に別グループのオブジェクトは挟めません。グループ前後のオブジェクトを「前面へ」で送ってもグループの前面か背面になります。レイヤーパネルでの移動などで挟んだ場合は、そのグループに統合されます。
↑オブジェクトの移動はサブレイヤーの前面背面ルールに準拠。同じ階層は「1」と「グループ」なので、
↑「1」を1つ背面へ送っても、「2」と「3」の間には入らずグループの背面になる
↑レイヤーパネルから移動して入れると同じグループに入ってしまう
●グループ全体を選択して前/背面ペーストするとグループの前面か背面になる
選択ツールでグループ全体を選択してオブジェクトを前/背面ペーストすると、グループの前面か背面にペーストされます。
↑「123」のグループを選択して「4」を前面ペーストすると、グループの同一階層前面へペーストされる
●グループ内の一部オブジェクトを選択して前/背面ペーストするとグループに入る
ダイレクト選択ツールでグループ内の一部オブジェクトを選択してオブジェクトを前/背面ペーストすると、選択したオブジェクトの前面か背面にペーストされます。このときペーストされたオブジェクトは自動的に同じグループとなります。コピーしたものがグループの場合はグループごと入れ子になります。
↑「2」をダイレクト選択し「4」を前面ペーストするとグループに入る
↑「4」がグループなら入れ子になる
●グループ全体を選択して複製したものは、同一の階層に別グループとして複製される
オブジェクトは1つ前面に複製されるルールですが、グループ全体の場合はグループごと複製されます。
↑グループごと複製される
●グループ内の一部オブジェクトを複製したものは同一グループに複製される
グループ内の一部オブジェクトの複製は、同一グループ内に一部オブジェクトとして複製されます。
↑選択したオブジェクトがグループ内に複製される
意外と知らないグループ化3
前回までに挙げたIllustratorルール×グループルールで、思いがけないトラブルが起こりえます。
ここでは初回で提示したトラブルの解説をいたします。
↑こんな絵柄がありました。茶色いのはクッキーじゃないよ。アステロイドベルトと宇宙船のつもり
●最前面に送っているのに最前面に来ない
オブジェクトは同一階層内でしか前背面に移動できないルールです。グループは強制的にサブレイヤーにまとめられますので、グループ内オブジェクトはグループの最前面までしか移動できません。よって「最前面へ」コマンドでグループよりも前面に送れません。
対処法
グループから離脱する必要があります。オブジェクトをカットしてペーストしたい階層を選択して前面ペーストか、レイヤーパネルからドラッグして移動します。
↑1つの小惑星を最前面へ送るも変化なし
↑実はレイヤー構造がこのようになっていました。サブレイヤーから出られないので全体の最前面へは移動できません
↑宇宙船の前面に出すにはグループから出すしかありません
●いつのまにか前後関係が変わっている
グループは最前面のオブジェクトの階層に統合されるルールです。よってグループ化するときに間にあるオブジェクトはグループの背面に変わります。特にレイヤーを跨いでのグループ化は中間のレイヤーをスルーすることになるので、前後関係が変わる可能性が高いです。
対処法
気をつけるしかありません。
↑前の例の状態でアステロイド群を全部選択してグループ化してしまうとこんなことになってしまいます
●隠す/ロックしていたはずのオブジェクトが消えた
選択ツールによる選択は、「隠す/ロック」したオブジェクトも含め、グループ全体を選択するルールです。グループ内の一部オブジェクトを隠す/ロックをしても選択範囲は表示されませんが実際には選択されています。その状態で削除すれば、表示部分のみ削除したつもりでもグループ全体が削除されてしまいます。
対処法
ロックや隠すを使用している際は、ダイレクト選択で選択するようにします。
↑選択していないアステロイドはロックがかかっています。選択ツールで選択すると、ロックのかかっていない部分だけが選択され(ているように表示され)ます。これでdeleteすると…
↑グループ全体(アステロイド全部)が消えます
つづく
意外と知らないグループ化4
●グループしていたものがバラバラになってしまった
グループ解除は最上位の階層から解除されるので、複数のグループをまとめてグループ解除した場合、思いがけず他のグループを解除してしまうことがあります。
対処法
下階層のグループも解除する場合は、まとめてでなく1グループずつ解除するようにしましょう。

↑グループが入れ子になっています

↑アウトラインテキストのグループを解除するため、第1階層のグループを解除しました

↑そのままもう一度グループ解除してしまうと、第2階層のグループが両方とも解除されます。結果、水玉のグループもバラバラになってしまいました
●知らぬまにアピアランスの形状が変わっていた
グループ効果はグループに対して適用されます。効果の適用されたグループに後からオブジェクトを挿入すると、自動的にグループ効果が適用されます。元々オブジェクトに対して効果がかかっていても、更に効果がかかるので形状が変わってしまいます。
対処法
グループ効果の適用されているグループへの挿入には注意が必要です。効果がどの階層にかけられているのかをしっかりと把握して、効果が統合されないよう気をつけましょう。

↑効果をかけた星形オブジェクト

↑グループの効果がかかったグループに入れたら、アピアランス形状が変わってしまいました。なぜ入れたのかは突っ込まないところ
●知らぬまにアピアランスが消えた
グループを解除するとアピアランスは消滅するルールです。グループ効果のかかっているオブジェクトをグループ外に出しても効果は消えてしまいます。また、グループ効果のかかっているオブジェクトにパスファインダーなどをかけても消えてしまいます。
対処法
レイヤーパネルで確認して、グループアピアランスの効果を削除しないよう気をつけましょう。

↑アウトライン文字のグループにフチの効果がかかっています

↑グループを解除すると効果も消えてしまいます
●効果がアピアランスパネルから変更できない
アピアランスはオブジェクトやグループ、レイヤーに対して適用が可能です。グループの効果はグループ全体を選択したときに設定が可能になります。一部オブジェクトの選択では変更は出来ないので注意しましょう。レイヤーの入れ子が複数になると効果がどの階層に適用されているかの把握が難しくなります。
対処法
レイヤーパネルで効果のかかっているものはグレーの●が付きます。グループやオブジェクトのどの階層に効果がかかっているか確認して対処しましょう。効果のかかった階層を選ぶにはレイヤーパネルの●をクリックするのが手っ取り早いです。余談ですが効果(グレーの●)もドラッグで移動できます。

↑オブジェクトを選択しても、アピアランスパネルに効果が表示されません

↑効果はグループにかけてあるので、グループを選択するとアピアランスパネルに効果が表示されます。この場合はレイヤーパネルからグループの右の●をクリックすると簡単です
…意外と知らなかったの、私だけ???
まだ続きまーす。
意外と知らないグループ化5
●クリッピングマスク
クリッピングマスクは特別なグループで、マスクのかかっているオブジェクトは必ずグループ化されます。クリッピングマスクが適用されているグループはグループ解除はできません。そして、クリッピングマスクを解除するとグループも解除されます。

↑マスク前

↑マスク後。自動的にグループになります。グループは解除できず、マスクを解除するとグループも解除されます。一心同体。
●文字のアウトライン
アウトラインされたオブジェクトは、ポイントもしくはフレーム毎にグループ化されます。1文字は複合パスになります。ちなみに複合パスは複数のオブジェクトをひとまとめに出来るの機能でグループに似ていますが、複数のパスを1つのパスとして認識するものであり他人のそら似です。

↑アウトライン前。グループなどいない

↑アウトライン後。勝手にグループに!

↑グループと複合パス。構造の違い、わかります?
●分割や拡張
アピアランス分割・グラデーション分割・ブラシ分割、ブレンドの拡張やライブペイントの拡張、パスファインダーの適用など、自動的にグループになるものはたくさんあります。

↑ブレンド

↑ブレンド拡張。グループになってる
●埋め込み画像
PhotoshopEPSの画像は、埋め込みをするとグループになります。さらにクリッピングパスがあるとクリッピングパスがクリッピングマスクに変換され、入れ子のグループになります(※クリッピングマスクは必ずグループルール)。(ちなみにPhotoshop画像は埋め込んでもグループになりません。クリッピングパスありでもグループにならずにクリッピングマスクになります。これはどうやら特殊な例のようです。神速Illustrator絡みのhamkoさんの検証で知りました)

↑リンク配置

↑埋め込み。画像はグループに。クリッピングパスのあるものはクリッピングマスクに。クリッピングマスクは強制グループなので入れ子に
さて、これらの何が問題かというと、自動的にグループ化されているのを気付かず、一部を複製使用するなどでトラブルを引き起こすこともあります。
たとえば、文字のアウトラインを取った記号類を別の場所に複製し、その後必要なくなり選択ツールで選択して削除してしまい元のグループも一緒に消えてしまったなど。

↑アウトライン文字の移植手術を行います

↑option+ドラッグで複製っ

↑やっぱこっちいらんわ(選択ツールで選択、選択ツールっ!!!)

↑おいおいまさかDeleteする気じゃ…

↑き・え・ま・し・た。実際は1画面内に無いと思って下さい。こんな近くにあったらふつう気付きますから
また、テキストに適用したアピアランスは、文字のアウトライン後にグループへアピアランスへ引き継ぎます。グループを解除してしまうとアピアランスは消えてしまいます。

↑アウトライン前。テキストにフチアピアランスをかけています

↑アウトライン後。アピアランスがグループアピアランスに引き継ぎ

↑グループ解除したら、フチ消えます
他にもいろいろあると思いますが、「いつのまにグループ」には気をつけましょう。
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意外と知らないグループ化6
★グループ管理に便利な機能
●レイヤーパネル
Illustrator8以前では前後関係の確認管理用くらいにしか思われていなかったレイヤーパネル(パレット)ですが、ver9以降(だっけか?)はレイヤー階層を展開できるようになり構造を視認できるようになりました。パネル上でオブジェクトやグループの選択やドラッグ移動が出来るのでとても便利です。使っていない方はこれを機にぜひ使ってみましょう。
↑展開すると情報が増えるので一見わかりづらい。AI8に慣れた人はうざいと思うかも
一見わかりにくいように思われますが、ツリー構造とアタマの中のグループ概念が一致すればこっちのものです。
階層の移動はドラッグ、複製はオプション+ドラッグです。シンプルなものなら前/背面へコマンドを使うよりも素早く正確に移動できるでしょう。
右側の○は「ターゲット」で、クリックするとターゲット指定状態の◎に変わります。
このターゲットに指定された階層が、効果の影響を受けることになります。
以下の3点はオブジェクトを全て選択していますが、ターゲットが異なります。◎の位置にチューモーク!
↑ターゲットはオブジェクト。この状態ではそれぞれのオブジェクトに効果が適用されます
↑ターゲットはグループ。この状態ではグループに効果が適用されます。間違えて背景もターゲットにしてしまいました
↑ターゲットはレイヤー。この状態ではレイヤーに効果が適用されます
グレーの●はその階層に効果が適用されていることを示します。●もドラッグでの移動や複製が可能で、例えばオブジェクトにかけた効果をグループへ移動することも可能です。
↑オブジェクトの効果●をドラッグでグループの階層(上)へ移動
↑グループへ移動できる
効果はオブジェクト、グループ(ネストグループ)、ネストレイヤー、レイヤーと複数の階層にかけることができます。このとき、ネストグループとネストレイヤーは複数の適用が可能なので、実際には無限(制限はあるかも)にかけることができます。このような場合はレイヤーパネルを使うとどの階層に効果がかかっているかを簡単に調べられます。
↑効果全部のせ。オブジェクト、ネストグループ、グループ、ネストレイヤー、レイヤーそれぞれにかかってます
●グループ編集モード
グループ編集モードは、グループの階層内に入って編集が出来るモードで、以下のようなメリットがあります。
・グループを解除しなくても解除したように扱えます。グループ内のオブジェクトに個別変形を適用したり、グループアピアランスなどには重宝します
・深い入れ子の階層にも入れます
・選択中の階層よりも上位の階層は、半透明になって触れなくなり、ロックや隠すよりもわかりやすく、誤操作も減ります
実はたまーにしか使わないツールだったのですが、よくよく調べるととっても便利な機能だったのですね。神速Illustratorのあかつきさんのセクションを読んで目からウロコでした^^。神速Illustratorに参加しなければずっと使っていなかったかも。あぶないあぶない。
↑グループの効果がかかっていても
↑解除すること無く編集できます。しかもグループ以外は自動的に半透明ロック
↑グループ解除しなくても個別に変形ができます
意外と知らないグループ化(おまけ)
発売迫る!
さて、いよいよ1月15日(水)に発売が迫った「神速Illustrator[グラフィックデザイン編]」ですが、書影や内容などが公開されました。神速シリーズのシンプルなデザインにIllustratorをイメージしたオレンジ色のタイトルと帯が鮮やかです。書店で見かけたら手にとっていただけると幸いです(中身の確認だけでも嬉しいです^^)。
発売日ですが、Amazonでは1月11日(土)になっています。いち早くゲットしたい方はこちらを利用することをオススメします。(大丈夫だと思いますが、konozamaを喰らっても一切責任は持ちません)
以前もお伝えしましたが、6名の著者のうち4名は国内最大のIllustratorイベント「dot.ai(ドットエーアイ)」で過去2回とも登壇しているすごい面々。もう1名は著書も多いフリーのグラフィックデザイナーさん、なぜここに私が参加できたのかは、私にもさっぱりわかりません^^。だれかがパルプンテでも唱えたのでしょう。
ただし、参加させて頂いたからには全力を尽くし、ブログの100倍の労力をつぎ込みました。ブログで紹介したネタもありますが、原稿や素材は全て新規で起こしております。
実はこのブログ、タイトルに反して時短ネタってあんまり無いんです。構造がどうとか、こうやると効率がいいとかばっかり(あとくだらない小ネタ)。というわけでネタの選定も苦労しました。
他の著者さんのネタは勉強になるものばかり。アピアランスの達人&新機能を積極的に使う方々なので目からウロコが落ちまくり。この一冊で、はぐれメタル1体分の経験値をいただけた思っております。
Illustratorはデザイン、イラスト、DTPなど用途が多いので、内容もバラエティに富んでいます。その数なんと80本! 以下に目次を掲載しましたので、気になるものがありましたらぜひ本屋さんでお手にとって見てください。
ご興味のある方は、合わせて以下の公式サイトもご覧ください。
・アスキーインデックス|神速Illustrator [グラフィックデザイン編] ページ
・神速デザイン|Facebookページ
・Amazonページ
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以下目次です。
Chapter01 よく使う図形をすばやく描く
- 001. ギンガムチェックのパターンをプリセットパターンですばやく作る
- 002. 使い回せるかわいいフレームを効果の組み合わせで作る
- 003. バリエーション展開できるうねったリボン文字をすばやく作成
- 004. 「個別に変形」と「ランダム」で散らばったパターンをサクッと作る
- 005. 流用しやすい花のオブジェクトをすばやく作る
- 006. もみじオブジェクトを線幅ツールを使ってパッと作る
- 007. インクの飛沫風オブジェクトを効果で簡単に作る
- 008. 雪の結晶の幾何学模様を簡単な図形を使ってサクサク描く
- 009. アウトライン化された文字をササッと差し替える
- 010. 複雑なパターンをパターン編集モードですばやく作る
- 011. 複雑に絡み合うマークを「シェイプ形成ツール」ですばやく描く
- 012. 不透明マスクを使用してグラデーションのマスクをすばやく作る
- 013. オブジェクトを直感的にゆがめる
- 014. 自由に動かせるフチ付き矢印を効果で作る
- 015. 再編集しやすいふきだしを作る
Chapter02 イラスト&トレースをすばやく描く
- 016. アーガイルパターンを簡単なオブジェクトの組み合わせで作る
- 017. 宝石のような星をアピアランスでラクに作る
- 018. 線にタッチのあるイラストを「可変線幅ツール」でパッと描く
- 019. ランダムな花が配置されたイラストを散布ブラシで簡単に描く
- 020. イラストのフチをブラシを使って自動的にキラキラさせる
- 021. 真珠のネックレスを破線と効果の重ねがけで簡単に描く
- 022. アナログタッチなアイコンをパッと作る
- 023. 扱いやすいハーフトーン風パターンを画像トレースで簡単に作る
- 024. うねったジャバラをすばやく描く
- 025. ホログラム風パターンをグラデーションを使って簡単に描く
- 026. 使い回しのできる焼印風アピアランスを手軽に作る
- 027. ツヤのある葉っぱのイラストをすばやく描く
- 028. 自然な群衆シーンをすばやく作る
Chapter03 カラーの神速テクニック
- 029. カラーをグローバルスウォッチ化し不要なスウォッチを手早く整理する
- 030. ライブペイントで線イラストにササッと色付けをする
- 031. 塗りと線のカラーを「オブジェクトを再配色」で一気に変更する
- 032. カラフルなイラストをシンボルスプレーで敷きつめる
- 033. パターンの一部の色を「オブジェクトの再配色」ですばやく変更する
- 034. 夜景のビルの窓をランダムに塗る
- 035. 光彩のカラーをワンクリックで変える
- 036. 描画モードの適応範囲を限定して、オブジェクトの重なった飾りを簡単に作る
Chapter04 ロゴ作成の神速テクニック
- 037. すぐに直せる立体ロゴをアピアランスパネルでサクっと作る
- 038. 「光彩」「パスのオフセット」で丸い光沢感の立体文字をすばやく作る
- 039. スポーツ新聞風見出しをアピアランスに線を追加してラクに作成
- 040. アメコミ調のロゴを3D効果を使って手早く作る
- 041. 映り込みロゴ文字をレイヤーマスクで気軽に表現する
- 042. レース模様のフェミニンなロゴをパターンブラシですばやく作る
- 043. 深みのあるゴールドのロゴをグラデーションを重ねて表現する
- 044. 木目のロゴを落書き効果を使って手早く作る
- 045. パンキッシュなロゴをライブトレースでサクサク作る
- 046. モコモコのロゴを破線で手早く作る
- 047. モザイクオブジェクトを使って電光掲示板風ロゴを手軽に作成する
- 048. パスの単純化と3D効果を使って手書き風立体ロゴを作る
Chapter05 テキスト処理の神速テクニック
- 049. 字詰めのセットを作成し段落内のテキストを自動で詰めるる
- 050. 面倒な値組は合成フォントでサクッと組む
- 051. 書式を文字・段落スタイルですばやく変更する
- 052. バラバラのテキストをすばやくつなげる
- 053. テキストを改行で分割して図版の引き出しをすばやく作る
- 054. カラフルな文字列に修正がラクなフチを付ける
- 055. ポイントテキストをエリアテキストに変換してテキストをすばやく流し込む
- 056. 文字の変更に自動で追従する黒板風ロゴを作る
- 057. 「エリア内文字オプション」で背景が追従する段組みコラムを作る
- 058. 正規表現を使ってテキストにすばやくスタイルを適用する
- 059. 書式属性を引き継がずにテキストをコピー&ペーストする
Chapter06 レイアウト・ページ処理の神速テクニック
- 060. 線の位置を内側に設定して破線の線分のコーナーに揃える
- 061. 「整列」パネルで幅や大きさの異なる要素を等間隔にすばやく配置
- 062. アピアランスで変形をかけたオブジェクトを整列させる
- 063. 折れ線グラフのマーカーを手早く作る
- 064. 切り抜き画像にすばやくフチを付ける
- 065. 国別に着色した複数の3D地球儀をすばやく作る
- 066. あらかじめクリッピングマスクを設定して画像をすばやく配置する
- 067. グループ内のオブジェクトを一発でクリッピングマスクにする
Chapter07 自動化の神速テクニック
- 068. 大量の部品イラストをシンボルで管理して差し替えやレイアウトをする
- 069. よく使うデザインをテンプレートとして使いまわす
- 070. ユーザー定義を使って簡単にグラフィックスタイルを切り替える
- 071. ドキュメントを開かずにドキュメントの情報を調べる
- 072. アクションを使用して選択したオブジェクト以外をロックする
- 073. 修正がラクになるオブジェクトのコピー
- 074. 任意のフォントをワンタッチで置換する
- 075. 複数ドキュメントを一気にPSD形式で書き出す
- 076. リンクファイルをすばやく収集する
- 077. オブジェクトのコーナーの一部をスクリプトで丸くする
- 078. 拡張子の異なるリンク画像をすばやく差し替える
- 079. パスをすばやく反転する
- 080. 入り組んだオブジェクトの中から任意のオブジェクトだけをすばやく選択する
013 自由変形ツールのプラスアルファ
このたび執筆に携わらせて頂きました、神速Illustrator [グラフィックデザイン編] がAmazon先行で2014年1月11日に発売されました。既にお手にされた方もいらっしゃるとのことで、感謝の気持ちでいっぱいです。せっかくですのでしばらくの間、神速Illustrator連動企画を実施いたします。
まずは、P054「013 オブジェクトを直感的にゆがめる」から、ページの都合でカットされた小技を紹介します(※自由変形ツールのテクニックです)。
●クリッピングマスクで変形する軸を指定する
CS4以降ではクリッピングマスクを適用すると、バウンディングボックスがマスクのサイズになります。これを利用して、クリッピングマスクを適用してから変形し、編集後にマスクを解除することで、任意に定めた水平垂直を基準に変形できます。
↑赤線を軸に変形するとします。しかし、自由変形ではバウンディングボックス(青ライン)の辺が基準となってしまいます
↑そこで、クリッピングマスクをかけてから自由変形します
↑赤線を軸に変形できました
次に、自由変形でそのまま変形できないオブジェクトを変形するための回避策をご紹介します。
●変形できないオブジェクトの対処法
自由変形や遠近変形では見た目どおりに変形できないものがあります。パスの幅、グラデーション、テキスト、画像などです。これらのオブジェクトを変形させるには、以下の方法が有効です。
■パスの幅
[オブジェクト]→[パス]→[パスのアウトライン]
■グラデーション
[オブジェクト]→[分割・拡張]ただし拡張時にオリジナルと変わることがあります(グラデーションメッシュは変形可)。
■テキスト
[書式]→[アウトラインを作成]
■埋め込み画像
[オブジェクト]→[エンベロープ]→[メッシュで作成]
神速Illustrator[グラフィックデザイン編]、宜しくお願いします。
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